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掌編集

ロリと少女と熟女の間で揺れる俺

作者: 物語あにま

イモリ剣士です。

はじめての短編です。息抜きにスマホから投稿。

 突然だが、皆は二次元が好きだろうか。

 俺は大好きだ。異論も返答も条件次第で受け付けよう。

 二次元において諸君等が否定する際の要素と言ったら、それはつまり『好み』だけだと思う。

 こんなキャラが好き。あんなキャラが嫌い。俺は当然のことだと思っている。

 これは、そんな俺が二次元美幼女、美少女、美女を愛でるのに悩んだ、くだらない一幕である。



「ああっ、誰これ!? クルミちゃん!? くそ! また、可愛い娘が増えてるっ!」


 それは渾身の叫びだった気がする。

 自室に響いた俺のボリューム大の声。

 丁度、プレイ中のRPGブラウザゲームが小規模アップデートを行った後だった。

 ガチャシステムのないこのブラゲでは、主人公のステータスパラメータの高低で、仲間に出来る者の選択肢が広がる。

 なんと、最初から仲間がいる状態――ただし、使用できるわけではない――で始まっているのだ。

 課金要素は、消費アイテムと経験値アップアイテム、その他によく分からない要素だけ。


「これは是非戦列に加えたい!」


 今回、新たに加わるのは美幼女キャラ。それもとびきり愛らしい水色ツーテールの娘。

 画面の向こう側にいる彼女を撫でたくなった俺は、PCの液晶をひたすら擦る。

 満足感を味わい、俺は紳士行為を程々に頭を抱えた。


「パートナー設定……をしたいんだけどなー」


 主人公の性別を自由に決められるこのブラゲでは、パートナーとなる人物を一人だけ決められる。

 男女恋愛を妄想したいなら異性。薔薇(ボーイズラブ)百合(ガールズラブ)をエキス垂れ流しの脳ミソにぶちこみたいなら……お好きなようにといった具合。

 俺は男キャラを選んだのでノーマルラブ派だ。


「レベッカちゃんと別れたくないぃぃ」


 選べるキャラは常に一人。当たり前の法則システムが俺を苦しめる。


 この間のアップデートで、泣く泣く美熟女――美女とも言える――キャラのフィノーラさんから美少女キャラのレベッカちゃんをパートナーに設定したばかり。

 だというのに、またも好みのキャラが登場してしまった。


「まだレベッカちゃんの『やだっ!? スカート捲れちゃってる!? 見るなぁ!』のパートナー限定ボイスを堪能しきれてないというのにぃ!」


 諦めきれない俺を無様だ愚かだと言う者もいるだろう。だってパートナーはいつでも自由に変えられるのだから。

 だが、俺は声を大にして言いたい。お前らそれで満足か。

 一々パートナーとして迎えなければ限定ボイスを喋ってくれないもどかしさ。それをそのまま受け入れていいのか。

 否、断じて否である。


「幼女、少女、熟女。なぜ二次元になるだけでこれ程愛おしく感じるんだ」


 幼女は、快活さ溢れる仕草と保護欲を掻き立てられる容姿が素晴らしい。


 少女は、大人になりかけと言えどもフレッシュで、青春に生きる魅力を感じさせてくれる。


 熟女は、完成された大人のボディと淫靡なエロスに応える。


 簡潔に意見を述べたためにこれだけしか表せないが、この他にもそれぞれ語れる話がつきないはずだ。少なくとも俺はその人種である。


「いっそのことハーレムにしてしまえ、運営め!」


 全ての愛する異性と恋をする。その名もハーレム。生態学ではごく普通に使われ、オタク世界では業の深い専門用語として有名な言葉。


「ちくしょう! 問い合わせメールで意見を送ってやるぞ!」


 欲望に塗みれの意見手紙は、三時間に渡って綴られた長文と共に送信された。



 翌月、見事俺の愛が届いたのか。

 それとも複数のユーザーからの声があったのか。パートナーシステムの他に、ハーレムシステムが導入されることになる。

 当然、課金によりパートナー枠を増やさねばいけないが、それくらいどうと言うことはない。

 愛があれば出費など些細な問題。純愛を貫きたいユーザーも夢見る童貞ユーザーもこれで安心となった。

 喜び勇んでゲームの起動をする俺は、もう一つ追加要素がアップデートされているのを確認する。


「どれどれ?」


 ――この度は○○をプレイして頂き誠にありがとうございます。


 ――新しく『嫉妬』システムが導入されました。戦列にパートナーが複数存在する場合に限り発動します。『嫉妬』発動中のキャラは『ヤンデレ』状態となり、敵味方関係なく自分以外をランダムに攻撃します。また、攻撃がヒットした場合、『嫉妬』発動中の『ヤンデレ』キャラ及び攻撃がヒットしたキャラは即戦闘不能状態となります。


 ――ハーレムシステムの利用には細心の注意を払ってお使いください。これからも皆様がより良い環境でプレイ出来るよう尽力します。○○運営。


「は?」



 俺は、静かに、問い合わせの欄を、クリックした。





人の欲って限りないですよね。


主人公は大学生です。

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