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森人の詩  作者: すばる
第五章 失った過去
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(8)

 自分のせいだ……。

 強い絶望感と、己への激しい怒り。そして――後悔。

 どうしようもなく押さえがたい強い想いは、やがて大きく膨らみ、自分を呑み込んでいってしまう。

 そうして伊吹は願ってしまったのだ。

 

 ――ここから逃げることができたなら……。


 すべてを忘れることができる世界へ、この「現実」とは別の世界に行くことができたなら――。いっそうのこと、死んでしまえたら……。

「ぼくは卑怯な人間なんだ。ここにやってくる魂たちには現実に帰るように説いているのに。ぼくは…現実に帰る勇気もない」

 よしんば帰る勇気があったところで、もう外の世界にでることなどできはしないのだけれど、と自嘲気味に伊吹は笑った。

 そして、彼はこう付け足した。

「これでわかっただろ? ぼくは汚い人間なんだ…」

 もう…ここにはこないで。

 彼は最後に小夜(さよ)にそっと囁いた…。

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