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万信の都

アイソロン——それは世界の心臓。 この都市は、いかなる王国にも属さず、いかなる神にも支配されていない。 万族が共に生きる場所であり、信仰と利益が交差する交点である。


空から見下ろせば、アイソロンは巨大な円環のように広がっている。 内城には神殿と議会があり、外城には市場、学院、そして各種族の居住区が広がっている。


雪誠は灰色のマントを纏い、黄昏の空の下、城門をくぐった。 夕陽が石畳に差し込み、無数の影が交錯する。 彼はうつむいて歩き、胸の契約印は衣の襟に隠されていた。


彼は「双契者」——魔王と神、両方の印をその身に刻まれた者。 半分は闇から、半分は光から。 半分は呪い、半分は約束。


だが、誰もそのことを知らない。 知られてはならないのだ。


通りの両側では、露店の商人たちが様々な言語で呼びかけている。 ドワーフは鍛造された武器を売り、エルフは木陰で古語を歌い、ドラゴン族は鎧を纏って巡回し、獣人は香ばしい串焼きを焼いている。


雪誠は、こんな世界を見たことがなかった。


彼は広場を通り過ぎる。 中央には七体の神像が立ち、それぞれ異なる信仰を象徴していた。


キティの神像は白い石で彫られ、両手を広げ、優しい眼差しを向けている。 天神の神像は目隠しをし、天秤を手にしている。 イナの神像は蔓の上に座り、手には一粒の種を抱えていた。


そして広場の端には、黒い石柱が立っていた。 そこには古代の禁呪と警告が刻まれている。


それが「禁契の柱」だった。


柱にはこう記されていた: 「魔と契約を結ぶ者は、すべて堕落者と見なし、神域より追放すべし。」


雪誠は足を止め、その柱を見つめた。 胸の奥に冷たいものが走る。


「古より今まで……契約を結んだのは、俺だけだ。」


彼は静かに呟いた。 その声は穏やかだが、心を切り裂く刃のようだった。


彼はキティの神殿を通り過ぎ、神職者が「信仰の純潔」について語るのを聞いた。 天神の神殿では、預言者が「選ばれし勇者」の物語を描いていた。 イナの神殿では、自然の気配と共に、拒絶の空気を感じた。


どの神殿も「神に選ばれし者」を探していた。 だが、誰も彼を探してはいなかった。


彼は「神に選ばれし者」ではない。 彼は「神に遺された者」だった。 闇にも光にも拒まれ、それでも歩みを止めなかった者。


夜が訪れ、灯火が都市を照らす。 彼は橋の端に座り、川面に映る神像と星の光を見つめた。


彼は静かに呟いた:


「ここへ来たのは、自分の無罪を証明するためでも、赦しを求めるためでもない。」 「魔王を救う方法を探すためだ。」


彼はうつむき、指先で胸の契約印をそっと撫でた。


「俺は、どの神殿にも属さず、どの種族にも属していない。 それでも、キティを信じている。 この世界を守りたいと願っている。」


「彼らが俺を受け入れなくても……俺は彼らを見捨てない。」


風が静かに吹き、川面にさざ波が広がる。 彼は目を閉じ、黙って座り続けた。 まるで、沈黙の灯台のように。


誰も彼が誰なのか知らない。 だが、彼は自分が誰なのかを知っている。


彼は真田雪誠。 魔王の契約者であり、神の契約者でもある。 孤信者——黒き印を背負い、心は神の光を求める者。

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