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信仰と影

宝奥村は、山々に囲まれた谷間に位置し、朝になるといつも霧が立ち込めていた。 真田雪誠は村の入口にある石段に腰掛け、遠くの山脈を見つめながら、手には古びた経典を握っていた。 彼の両親は「キティ」と呼ばれる神を信仰しており、村のほとんどの人々も同じだった。 この村は裕福ではないが、生活はそれなりに穏やかだった。


「雪誠、朝ごはんができたぞ。」 父が家の中から顔を出し、笑顔で声をかける。 雪誠は軽く頷いたが、立ち上がることはなかった。 昨夜、彼は神の囁きを夢に見た。その声は今も脳裏に響いて離れない。


この世界には、ただ一柱の神がいると言われている。 その神の意志は人々によって様々に解釈されている。ある者は「キティ」と呼び、ある者は「天神」と崇め、またある者は「イナ」と名付ける。 人々はその神の教えを巡って争い、象徴を奪い合い、時には戦争さえ起こす。


—— だが、堕落も存在する。 かつて魔王は神の使徒であったが、闇に呑まれ、魔へと堕ちたという。 今や魔王の勢力は世界の七割を支配している。 伝説によれば、闇がこの程度まで広がると、勇者が目覚めるのだという。


—— 雪誠は、自分が勇者ではないことを知っていた。 それでも、彼は神の呼びかけを信じていた——その声は、今も彼の心の奥で微かに震えている。

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