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異世界から帰って来させられた元英雄の学園生活  作者: クロスディア
1章 日常を侵食する陰
8/13

第7話 俺と彼女の気まずい空気

気まずくてしょうがない。

第7話


「………………………………………」

「………………………………………」


き、気まずい!


あんな強引な事をして、無理やり選択肢を潰した俺が言うのも何だけど、本当に気まずい…


アイツやあの馬鹿とか居れば楽…いや、よそう。これ以上考えたら、本当に泣いてしまいそうだ…


ん?はぁ、右と上からか…


「一旦止まってくれ、お嬢ちゃん。」

「えっ、なん『『『『ヒャッハー!獲物発見だグベェッ!』』』』きゃっ!」


異界(ダンジョン)の天井や壁から現れる悪霊(ゴースト)達を薙ぎ払う。はぁ、弱い癖に数が多いから面倒だ。


「…攻略するまでこんな事が続くと思うが我慢してくれよ。」

「……………………………はい。」


…マジでどうしよう?


…この空気を紛らす為に、勝手に話でも続けるか?


何か変な人扱いされそうだか、もう不審者みたいな物だから関係ないか…


「どうやら、この異界は悪霊(ゴースト)系の巣窟らしい。」

「…………………………………………」


彼女から返事はない。大丈夫かな、これ…


しかも、それと同時に空気を読まない悪霊(ゴースト)達も襲い来る。


「はぁ、また来たな。『『『『いただきまプギャア!』』』』全く、強さの違いすらも読めないのかコイツ等は…」


お前らが出る度に彼女が『ビクッ!』ってなってるんだぞ。はぁ、本当に面倒な上に悪質な奴等だ。


「ふぅ、大丈夫か?コイツ等は徒党を組んで襲ってくる奴等でな?さっきみたいに生きてる人間を獲物としてるだ。」

「…………………………………」

「……そうやって仲間を増やすんだ。しかも、色んな派生が居てな。君を最初に襲ってた奴は化け人形(パペットゴースト)と呼ばれてるんだ。」

「…………………………………………」


言葉のキャッチボールが無いのはこんなにも悲しい事なのか…


まぁ、友達は鏡花しか過去現在を通して居ないから、こんな事でめげはしないが。


ん?今度は左からか…。しかも、普通の悪霊(ゴースト)でもなさそうだな…


『『『『…溺れ苦しめ!私達と同じよ「煩い!」グブッ!ゴボゴボゴボッ…』』』』

「まさか水亡霊(アクア・ゴースト)まで居るとはな…。元になる家に水場が有るからか?」


まぁ、どうでも良いか。雑魚だし…


「アイツ等は水亡霊(アクア・ゴースト)と言ってな。基本的に溺死した奴等がああなるんだ。稀に水を飲めなくて死んだ奴もなるらしい。」


本当に稀だけどな、砂漠や火山地帯の様な所は兎も角として。


「雑魚の癖に厄介な奴等でな。アイツ等に触れられるとな、溺れる感覚に襲われるんだよ。そうやって苦しめて仲間に引き込むんだと。悪趣味だよなぁ…」

「…………………………………」


あっ、ヤベ!少し震えてるし、怖がらせちゃったか?


「まぁ、大丈夫だ。俺が居る限り、そんな事は絶対にさせないから。」

「…………………………ありがとうございます。」


やった!反応が帰って来た!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そんな調子で先を進んでいく俺達。何が良かったかは解らないが、少しは反応も帰って来るようにもなった。


そして…


「ん?喜べ、お嬢ちゃん。此処をクリアすれば最後だ。」

「きゃっ!いつの間に扉が……」


いきなり、目の前に大きな扉が現れる。いつ見ても大きい扉だなぁ…


この扉の先に異界(ダンジョン)を制御する中心(コア)がある。それさえ壊せれば、異界(ダンジョン)は崩壊する。


だが、その前に…


『ようこそ、愚かな生者達よ…』


扉を開ける。その先には、巨体な化け物が俺達を待ち伏せるかの様に立っていた。


まぁ、予想はしていた。此方側(現実世界)異界(ダンジョン)が誕生した以上、奴等も産まれてくるだろうと。


奴等は…


『私は異界の主(ダンジョン・マスター)。解りやすく言い換えるとすれば…』


勿体ぶる様に、俺達を嘲る様にこう告げる。


『ラスボスです!』


異世界メモ


水亡霊 (アクア・ゴースト)


主に溺死、稀に水を飲めなくて死亡した存在から産まれる悪霊。

普通の悪霊や化け人形やよりは強いのだが、やはり雑魚の域は出ない。が、触れると溺死を疑似体験する事ができる。そうやって精神を追い詰めて仲間にするのだ。

水属性の低級魔法を使えるが威力は無いに等しく、主に溺死させる為に使用してくる。

断末魔は溺れている人間と同じ様な声を出す為、不快感が凄い。だが、無駄にイケボなので、好きな人は好きらしい。

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