第4話 始まりの異変
始まりはいつも突然
第4話
「さて、どう動くかね…」
時間は既に深夜を切った。そんな中、自室で一人考え事をしていた…
「沙織ちゃんから聞きたい事を聞けたのは良かったが、これじゃあ自分からは動きづらいな…」
色々と話は聞けた。かなりの子達が『ひとりかくれんぼ』を試している事。そして、全員が何も起きていない事を。
でも、安心など出来ない。考えすぎなのかもしれないが、まだ何も起きていない可能性もあるのだ。
「そろそろ3時か…。一応、 早く終わらせられなかった時に誤魔化す為の工作はしとくか…」
起きて欲しくはないが、念には念をだ。
うーん…『朝釣りに行ってくるぜ、チャオ♪』みたいな書き置きでも置いとくか。
そんな風に偽造工作をしていた瞬間…
「はぁ、何でこうも悪い方向に行くかな…」
気配が、魔力がとある場所に集中していく。間違いない…奴等が動いている。
「アイツですらあんなに集めないぞ、全く…」
さて、いつもの様に動くとするか!
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最初は軽い遊びだった。
『ねぇ~何処に居るのぉ~?』
皆がやってるって聞いたから、興味が沸いた。
他にも理由があったけど、軽い気持ちでやってみた。
唯、それだけだったのに…
『解体♪解体♪楽しいな♪隠れた子を見つけて殺すの楽しいな♪』
少しずつ私の隠れている場所へと近付いてくる足音。
ヤバい!ヤバい!ヤバい!誰か…
『うーん、居ないなぁ…』
と、足音が遠退いて行く。
はぁ、助か『ったって思った?』えっ…
声が聞こえた瞬間、私を隠す物が切り刻まれる。そして…
『見~つ~け~た♪』
目と目が合う。ああ、もう終わりだ…
「嫌ぁ、誰か…誰か…」
『泣いても無駄ですよぉ♪君はもう死ぬしかないのです♪』
嫌だ、まだ終わりたくない!こんな奴に!こんな所で!
だから、だから…
「誰か…助けて…」
届く筈のない言葉を呟く。
だからこそ、私は驚愕したのだろう。
私の目の前に…
「ああ、俺がお前を助ける。」
私の事を助けてくれる英雄が立っていたのだから。
異世界メモ
高橋剣の魔術属性:無属性
基本的に火・水・風・土・氷・雷・光・闇・無の属性に分けられる。
その中で、一番覚えられる量が多い代わりに、戦闘に役に立つ術が限りなく少ない属性が無属性である。
だが、極めれば一番使い勝手の良い属性なのは間違いないだろう。『極められれば』の話だか…