第１２話 魔物以外の非日常な存在
次々と出る名前と敵
第１２話
「ん？よく見たら悪魔か。しかも、下位の方の。悪霊や異界だけでも腹いっぱいだってのに…」
『はは、ご愁傷様だねパパ♪』
目の前に居る魔物を見て、そう呟く。
全く、どれだけ俺を困らせたいんだ？
まぁ良い。今はコイツをどうにかするか。
「ふぅ、お前には色々と聞きたい事がある。素直に話さないと痛い目を見るぜ。」
「くっ………そんな事は解っている。だが、我らの崇高な目的を邪魔するなど、あの方が黙「煩い。」ぐぎゃぁぁぁあ！」
テンプレな発言をする悪魔の腕を斬り落とし、黙らせる。
そんな無駄口にかまう程、俺は甘くはない。
「良いから喋れ。喋らないのなら、今すぐに殺してやるからさ。さぁ、早く！」
「ひぃ！は、話しますから！実は………………」
「実は、何だ？」
「実は…………ぐっ、か、身体が！きゅ、急に熱くなって！が、がぁぁァァア!!!』
ちっ、そういう事か……
コイツの上にとって、コイツは捨て駒でしかなかったのだろう。
もし違うというのなら、こんな呪いなどかけないだろうから。
「くそっ、悪霊の次は悪魔と思わせて、魔獣を相手にしなければいけないってか！」
『あはは、相変わらずパパはついてない♪』
「うっせぇ、そんなの自分がよく解ってるよ！」
いや、落ち着け俺！子供相手に腹を立ててどうするんだ！今は………
今はコイツを倒す事だけに………
…………………………………はぁ、最悪だ。
「ルティ、俺は本当についてないみたいだ。」
『パパ？』
「強い奴がもうすぐ側まで来てる。いや、もう直ぐに此処に来る。」
ちっ、次から次へと！今日は厄日か何かか！
はぁ、覚悟を決めなきゃな。
多分、此方に帰って来させられてから出会った奴等の中でも………
「『白虎雷撃斬』！」
「ちっ、派手な挨拶だな！行くぞ、ルティ！『フェニックス・スラッシュ』！」
『ガァァァァァァ…………………………………』
魔獣と化した悪魔を巻き込みながら、まだ姿が見えない強者が放った雷と、俺の炎が激突する。
互角、か……
まぁ、棚ぼた的に魔獣を殺せたのは良かったが…
「やっぱり、強い。貴方、何者？」
「それは此方の台詞だ。見知らぬ強者さん？」
目の前に小柄でセンスの良い仮面を着けた女？らしき奴が現れる。
間違いない、さっきの電撃を放った奴だ。
さて、どうした物か……
それに奴からは……
「賭けてみるか……」
「………何かする気？」
「ああ！『フェニックス・ブラスト』！」
瞬時に炎の球を作り出し、奴へと放つ。
大丈夫、これ位なら奴もちゃんと対処する。
「無駄よ、『ドラゴニック・ブラスト』！」
奴は真似をするかのように、瞬時に水の球を作り出して放ち、俺の炎と衝突する。
雷の次は水かよ…
「ふぅ、なら『クリエイト・フレア』…」
奴の水が俺の炎を消す前に！
「…何かしかける気ね。」
「へぇ、鋭いな！だが、もう遅い。『フレイム・
ボム』！」
そう叫んだ瞬間、俺の炎が強烈な光と共に弾ける！
仮面を着けてないと、俺の目やられてたな…
それよりも、今の内に……
「ずらかるぞ、ルティ！」
『はい、パパ！』
俺は一目散に逃げ出す。
奴の正体とか気になる事はあるが、衝突しあうよりはマシだからな。
しかし…
「奴から敵意を感じなかったのは何故だ？」
まぁ、良い。今は気にするだけ無駄だ。
………はぁ、朝釣りにでも行くか。
異世界メモ
悪魔
皆が想像する通りの魔物。
上位・中位・下位と強さにランク付けがされており、下位の悪魔でもかなりの強さで、出会った時は死を覚悟した方が良いだろう。
上位なんてもっての他であり、その中でも大罪を背負う悪魔達は魔王そのもの。
尚、魔族と悪魔は全く関係ない別種なので、風評被害だと歴代魔王は怒っているし、今も許してない。
