プロローグ
異世界での記憶という名の悪夢
プロローグ
混沌が世界を包み込み、誰もが絶望の中に居た。しかし、それを覆すかの様に白き炎と黒き炎が天高く混沌を貫く。
『馬鹿な…我が人間などに…魔族などに…』
「「俺(私)達を舐めすぎだ、邪神。」」
地に倒れ臥す邪神を、二人の男女が見下ろす。その目には光と闇が宿っていた。
『…成る程、そういう事か。良いだろう、我の敗北だ。』
急に潔くなる邪神。もう直ぐ死ぬというのに、奴は嗤いながらこう告げた。
『今回は、な…』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はっ!」
勢いよく立ち上がる。クソっ!また異世界での夢か…
「今回は邪神をアイツと一緒に倒した時の記憶か…」
奴は倒した。だが、奴が死に際にこっそりと発動させた魔法によって俺は…
「ちくしょう…ちくしょう…」
静かに、声を殺しながら涙を流す…
「会いたい、会いたいよ…」
現実は非常だ。涙を流して懇願した所で、何も起きない。
「俺はどうすれば良いんだ、アリス…」
その声が、届く事は決してない。何故なら、彼は…
異世界とは違う世界。彼が15年もの年月を過ごした現実世界に帰って来させられたのだから。
これはそんな彼が過ごす日常の物語。現実と幻想の狭間を行き来しながら、立ち向かっていく英雄譚である。
異世界メモ
主人公 高橋 剣
性別 男
家族構成
父(故人) 母(故人)
現在は叔母夫婦の養子となっている。
その為、現在は
父 母 義姉 義妹 義妹となっており、仲は良いが男女比のせいで肩身は狭い。
家族には内緒にしているが、彼は非童貞である。