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再鎖国した日本と征夷大将軍  作者: 門外不出
12/21

戦闘開始

すみません、かなり更新が遅くなりました。



 慶尚道 独島駐留海兵24中隊指揮所


 何も起きないはずだった、警告も無かった。


「レーダー、探知不能。ECMです。」

 さっきまで長距離探知で表示されていた日本艦船は消え、真っ白でノイズが時々走る画面になっていた。

「ECCMはどうした? 何らかの攻撃があるぞ、襲撃警報発令せよ。」


 一呼吸おいて、高 中佐は続けた。

「司令部へ緊急連絡。独島は攻撃を受ける可能性大。至急援軍手配を請う。」

 その命令は、実行されなかった。通信担当士官の表情を見て悟るしかなかった。

 

日本は本気で反撃してきたのだ。


「現在、日本と交戦中。ECMで電波探知困難となっている。友軍誤射を避けるため、目視確認を基本として、反撃準備。」

 高 中佐は島内無線で現況を知らせた。こっちが一方的に力を振るっていた時間は終わったのだ。相手にも反撃する権利はもちろんある。


「統一的な反撃は現時点では出来ない。各部署で個別迎撃並びに反撃をしてくれ。敵情報はどんなつまらないものでもいいので知らせてほしい。」

 高 中佐は続けて言った。

「敵攻撃に備えよ。」


 その声に被さるように爆発音が聞こえた。あちこちで悲鳴があがる。訓練されている兵士が悲鳴? と、高は思わなかった。もう少しで自分も声を上げるところだったからだ。


 高の前には煙を上げて消えているディスプレイが何台もあった。先ほどまで点いていた照明も消え、バッテリー内蔵の非常用照明だけが所々点いていた。


「これがEMP攻撃か。」

 演習で学んでいた被害よりもひどい様相だった。電気系は全てダメになっただろう。指揮命令系統はおろか、電子機器制御のものは全て壊れたと考えるしかない。もはや何もできないし、無理に何かすればこちらの被害が増えるだけだろう。


 近づいてきた副官に、高は伝えた。

「EMP攻撃を受けた。電気を使うもの、電子機器が入っているものは使うなと至急伝えてくれ。使用すると危険だ。」


 立ち去ろうとした副官に、高は続けた。

「わかっていると思うが、通信機器は使えない。各所には伝令で伝えるんだ、急いでな。」


 高は指揮所を出て、双眼鏡を持って高所にある古い見張り台に向かった。少なくともこれから何が起きるのか確認しておきたかった。



 護衛艦山城CIC


「竹島からの電波発信途絶えました。」

「ECMは万が一のため継続中。」

「EMP弾発射機は空域を離脱し帰投中。」

「探知内ブルー。」


 沖田副長は、マイクを持った。

「艦長、救援行けます。」


「了解した。引き続きモニターと援護体制の維持を頼む。」

 伊丹は少し間をおいて続けた。みんなこれを待っているはずだ。

「これより市原機の救援作戦を開始する。各員、よろしく頼む。」

 後部ヘリコプター甲板で待機していた  ヘリコプターが飛び立って行った。

「おー、速いな。気合十分だ。」


 伊丹はふと思い出してマイクを持った。

「こちら艦長。内務班は大至急風呂の用意をしておいてくれ、男女ともにな。山城温泉仕様で頼むぞ。」

 艦橋は緊張が一瞬ほぐれ、また元の状態に戻った。何といっても実戦作戦中なのだ。



 独島海兵24中隊指揮所近くの見張り台


 高 中佐の双眼鏡視野に救難活動中のヘリコプターが入った。撃墜した日本機クルーの救援だ。もう1機は我が国漁船の救難の様だった。我が国の救難機は姿を見せていない。先ほどのEMP攻撃から間髪入れずの作戦行動だった。敵ながら、見事だった。


 対空砲台から、機関砲の連射音がした。曳光弾の光跡からいってもヘリコプターが射程外なのは明らかだったが、壊れていないもので反撃したい気持ちは理解できた。だが、無駄弾を放置はできない。副官を呼ぼうとした時、別の発射音が聞こえた。ミサイルだ。ミサイルの航跡はふらふら迷走しており、標的をロックオンしていないのは明らかだった。その状態で、発射でき、かつ自爆していないとなると故障していることになる。副官からの伝令は未だ届いていない部署があるのだろう。


 ふらふらと上空に上がったミサイルが自爆した。すくなくともこいつは被害を及ぼさなかった。危険すぎる反撃に危惧したその時、大きめの爆発音が響いた。あきらかに島内で発生したものだった。



 護衛艦山城CIC


「ミサイル1基自爆。現在脅威0。」

「高熱源反応探知報告有り。」

「対空自動モード確認。」

「自動モード正常。」

「高熱源反応は移動していない、繰り返す、移動していない。現在脅威0。高熱源は竹島島内で依然継続中、状況不明。」

「市原機の救助、完了しました。これより帰投します。」

「了解。一旦3時方向に迂回して着艦。」

「了解。一旦3時方向に迂回して着艦します。」

「海保の救援状況は?」

「あと1人とのことです。」

「竹島島内の高熱源はどうなっている?」

「熱源反応は拡大しています。移動はしていません。」

「何かに誘爆したのかもしれんな? そのままモニターを続けてくれ、変化があれば通知してくれ。」

 沖田は念のため確認した。

「全部リンクされているよな。」

「もちろんです、熱源反応はバブルからのリンク情報です。」

「それならいい。海保の救援が終わったら撤収するぞ。いいですね。艦長。」



 護衛艦山城艦橋


 伊丹はモニターを確認して言った。

「もちろんだ。君はホントに手際が良いな、助かるよ。」

「何言ってんですか、全部艦長が教えてくれたことじゃないですか。」

「教えたことが全部できる奴は、そうそういないよ。」

 伊丹は後方を確認して続けた。

「もうすぐヘリが着艦コースに入る。今から操舵はこちらの指揮下で行う、状況報告は随時頼む。戦闘行動はそちらの指揮下で行ってくれ。」

「了解しました、艦長。」


「こちら艦長。これより市原機乗員を収容する。ヘリ拘束と乗員収容後は最大戦速となる。安全かつ速やかに作業を行い報告してくれ。」

「了解。」

 艦橋のあちこちから、スピーカーから、程よい緊張を含んだ応答があった。

「では、かかれ。」

「了解。」

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