表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

絶滅種の食卓

作者: 布団カバー

「きょうは土用の丑の日ということでウナギ定食です」

食堂のおばちゃんロボから聞いてそういえばと思い出す。

カウンターからトレーを受け取りヘッドマウントディスプレイを装着する。

すると目の前にはとても美味しそうなウナギ定食が見える。

口に運ぶとウナギのたれのいい匂いが嗅覚を刺激する。

もちろん味もしっかりとウナギの味がしている。

食事中に広告が流れてくるので、いつもなら無視をしているがきょうは目に止まった。

広告はA社発の天然ものの食事を賭けたバトルロワイアルに関するものだった。

ド素人の老人のグダグダとした殺し合いなんて一部の加虐嗜好者しか見れたもんではない。

しかし、ディスプレイを外すと見えてくる味気のない食事を見て応募を少し考えてします自分がいる。

環境汚染、人口問題、天変地異などの影響ですっかり天然ものは超高級品になってしまっった。

若年層は生まれついたときから食べている合成食品に慣れてしまっているが、ギリギリ私の年代は昔の味を知っているので、どうしても現状を受け入れないでいた。

食べ終わった私は自室に帰ってついバトルロワイアルについて調べてしまった。

民間企業主催のバトルロワイアルは珍しいことではないが、A社のは悪趣味に振り切っている。

わざわざ鉄パイプや包丁などの現実で身近な道具を使わせ、戦闘経験なしの素人を登用する。

命乞い、躊躇、リタイアなどをしようとするものは体に付けられた装置から激痛が流れる。

そして、嫌々ながら殺し合いする老人たちという地獄絵図だ。

試しに見た中継映像を見てウナギ定食に見えたものを吐いてしまった。

私は参加は諦めてA社の広告をブロックした。

次の日、B社の広告流れながらナッツ入りのショートケーキらしきものを食べた。

終わり


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] こうやって主人公の毎日は過ぎていくんだろうなぁと思いました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ