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プロローグ
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今宵は紅い夜。月や星が真っ赤に染まり、地表を見下ろす日。
この夜はある日を境に急現れた。
風がビルとビルの間をぬけ、街路樹の横を通りすぎた。そして、大きな屋敷にすんでいる男のワインに当たって散った。そのワインを男が飲む。
ゴクッ
誰もいない部屋にその音が響く。
ふと、男が独り言を言った。
「この夜を仰ぐのは誰だろう・・・」
「私はあの方と存じます」
突然後ろから声が聞こえた。男が振り向くとそこには従者がいた。
従者は、お辞儀をし男の横に立った。
「ふむ。誰だと思うか・・・」
「少し耳をかしてください。『時雨様』」
時雨と呼ばれた男は、耳をかした。
「ふっ・・・あいつか。確かあいつは絶望少年だったな」
「この空を仰ぐのは絶望した者です」
時雨はワインを飲むと、窓の外にあるでかでかとした月を見上げた。
「あいつが死んだとき・・・この空や月、宇宙が悲しんだのだろう。それがあいつへの弔いになると思って・・・。あれから・・・そして今も・・・・・・」
この頃忙しくて全然かけてません。申し訳ございません。