ずっと綺麗でいられますように
仕事中に標本の話をしていて妄想した話
女性は綺麗になりたかった。ずっと綺麗でありたかった。その為にはお金も時間も厭わなかった。徹底的な栄養管理の下で食事にも気をつけ、足りない栄養は膨大なサプリメントの中から補給した。美容液や化粧品の類も新しいものが出るたびに購入し、自分の肌に合うものを選び続けた。時間が出来ればエステに通い体や肌に良いとされる物を全て試した。努力の結果、彼女の肌は20代、もしくはもっと下と言えるレベルの肌年齢を保っていた。体重も身長との平均的な比率と言われるレベルよりも低く、体脂肪率も一桁台である。見た目的に一番良い状態と言うものを追い求め続けた。
しかし、仕事や諸々の都合で常にベストな状態に保つと言うことは難しかった。その所為でニキビや肌荒れの肌トラブルは避けきれなかった。その度に彼女は頭を抱えた。どうすれば私は綺麗になれるのか?
テレビの健康番組では体にいいからと言う理由でこれを食べろと言ってくる。他の番組でも、また他の番組でも、同じようなことを言っている。そして食べる物が増えた頃に他の番組では食べ過ぎは良くないと言っている。もう番組などあてにできない。エステやマッサージや整体、色々なものに通って見たが結局は数日経てば元に戻ってしまう。全てはその場しのぎに過ぎないのかもしれない。
彼女にとって綺麗であると言うことは1番のストレス解消であり、ストレスの原因でもあった。彼女はあることを思いついた。それに必要な材料を集めた。
数時間後、彼女は今にも踊り出したいほどに胸が高鳴っていた。これで私の美貌は保たれる。願望が叶う。幸いにも今のコンディションは最高だ。逸る気持ちが彼女を突き動かす。そしてホルマリンの水槽に沈み込んだ。深く、深く。
久しぶりに数分で読めそうな話を作りたくて書いてみました。久しぶりなので文章の無理矢理感が否めないと自負しています。