表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/90

[完結]1ーA エピローグ 人によっては、蛇に足

 「…………それで聞いてくれよ只野ただの。日を改めてから右に曲がったT字路にさ、もう一回行ってみたんだよ」


 夕日が差し込む、ある学校の図書室にて。ハジメが1人の《《少女》》に、先日の出来事を話していた。

 彼女はハジメのクラスメイトであり、クラスの図書委員でもある。よって、こうして担当教員が席を外している間、放課後の図書室で本の貸出チェックをする羽目になっていた。 


「行ってみたらそこはただのL字カーブになってんの。どこにも右に曲がる道なんて無かったんだよ。あ、でも絶対夢じゃないからな! おかしいよなぁ……」

「へーへー。それは、不思議だねぇ……」


 本人はいたって楽しそうにしているが、あいにくと図書室の中にはハジメと彼女しかいない。

 これでは本の貸出なんてする必要もなく暇だろうに。それでも彼女は楽しそうに笑っている。

 この人気の無さなら少しばかり雑談しても、誰にも怒られはしないだろう。そう考えたハジメは小説の進捗を誤魔化しながら、先日あった出来事を話している。


「信じてないだろ。まあ俺が逆の立場だったら信じられるか怪しいな……」

「大丈夫大丈夫。信じてるよ。なかなか大変だったんだね」

「その軽い感じが怪しいんだよ……にしても情けなかった」

「どうして」

「話しただろ? あの子に迷惑かけてばっかだったからだよ。あー情けない」

「……どうだろうね? 案外、その女の子も頼られて嬉しかったかもよ?」

「なんだよソレ。たぶん只野ただのが会ったことない子だと思うよ?」

「ふふふー。さて、どうだろうねー……あ、誰か来たみたいだから、お静かにっ」

「ハイハイ。じゃあ俺は本でも読んでますよ」


 メガネの奥から優しい瞳でハジメを見ながら、束ねた長い黒髪を揺らしている彼女。そんな彼女は、ハジメと話している時とても楽しそうに笑う。誰かに似た雰囲気を、出しながら。

 ハジメが通う学校の図書委員には、当番になった日にこなさくてはならない決まりがある。

 それは、テーブルの上に置いてある出席者リストに名前を記入する、という決まりだ。

 果たして本日の図書委員の名前は。ハジメに面と向かって談笑している彼女の名前は。

 この日の出席者リストには――只野ただの 未柑みかん、と。そう書かれていた。

 普段は後書き書かないんですが、表題の終わりくらいはちゃんとしようかなと。


 これにて1ーA、そして表題『彼女は頭の上にミカンを乗せていた。』はお終いです。


 自分で言うのもなんですが、こんなヘンテコな話でも読んでくれたり、ブックマークに追加してくれたりする人がいたのは嬉しい誤算です。

 読んでくれる人がいたおかげで、とりあえずの終わりを迎えることが出来ました。最後まで読了、ありがとうございました。


 ここから先は1ーAだけじゃなく、全体を通して読んでくれている人がいるなら、の話になります。

 彼女ミカンシリーズ全体の話だと、もうちょっとだけ続きます。

 まあ続くといっても後の話はプロット上1ーAより短い話しかありません。

 読んでやるかーって人は、これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ