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✬始まりの部屋✬
初投稿となります
ファンタジー書きたかったんだ
冒険したかったんだ
だから書いたんだ
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雨足は強く、雷雲が光とともにその存在を主張している。
部屋に立ち込めた香の匂いがツンと鼻孔の奥を刺激している。
室内の温度が冷えていく。
ドアノブには霜が降り、吐き出す息は白く暖かい。
2度3度と握りこぶしを作っては、血の巡りを確かめると共に、緊張の解れを感じながら、足元で淡く青色に光を発している《三角形の魔方陣》を見つめた。
彼はどこか満足した風に軽く頷き自信のこもった目を正面へと向けた。
二メートル程先には、これまた淡い青色で発光している《六角形の魔方陣》があり寒さの原因は、この魔方陣のようだ。
シンと静まり返った部屋。
五分程たっただろうか。
《六角形の魔方陣》に変化が起きる。
強い光を放ち、やがて光がおさまる。
そして、
ーーー赤い双眼がこちらを見つめていたーーー
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