1話
むかーし、むかしあるところに、おじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは昔はめっちゃイケメンで、夜は繁華街に繰り出しては『ヒャッハー』っといいながらよく遊んでいました。
そんなおじいさんとおばあさんの馴れ初めは、ある日いつも通り夜の蝶を求めてた、繁華街にハンターとして参戦していたところ、逆におばあさんにハントされ、あれよあれよという間に結婚していたそうです。
後におじいさん曰く『結婚は人生の墓場』だそうです。
そんなおじいさんですが、やはりというかおばあさんの尻に敷かれています。
今日も働かざるものくうべからず、ということでせっせと山へ柴刈りにいきます。ええ、決しておばあさんが恐妻だからとか恐怖政治をしいている、おじいさんのヒエラルキーがめっちゃ低いとかそんなことはないです。
いえ、ほんとですよ。
ほんとに!
あっ、そんなジト目で見ないでくださいよ。
まぁ、そんなわけでポチと一緒にそりで仕事に出かけることに。
ポチは昔おじいさんが拾った動物です。
拾った当時はとても小さく、キャベツぐらいの大きさしかありませんでした。
しかしいつの間にか、おおきくなり今では2mはこれえる大きさです。
えっ、犬ではないのかって?
誰が犬なんて言いました?
ポチはいわゆる月輪熊ですよ。
絶滅したらかわいそうですし、赤ん坊の頃から育ててたのでとても2人になついてますしね。
おじいさんのネーミングセンスを疑ってしまいそうな名前のポチ(月輪熊)と山に来たおじいさんは、早速仕事に取り掛かりました。
しばらくすると、なにやらポチが『ガウ、ガウ』騒いでいました。
どうしたのかといってみると、そこにはとても大きく光る不思議なタケノコがはえていました。
「これはすごい。でかしたぞ、ポチ」
とおじいさんはいうと、ポチも嬉しそうに『ガウ』と吠えました。
おじいさんは早速落ち葉などを集め、それをタケノコに被せると火をつけました。
タケノコは取ってしまうとエグ味や渋味が出てきてしまうので、このように蒸し焼きにすると渋味がなく美味しいのです。ただし、火の不始末は山火事の元なので充分に注意しましょう。
さてなんやかんやであとは蒸しあがるのを待つだけです。
まだかなぁ、まだかなぁ、と待っていると突然「あっちいわぁー」という声が。
一体なにが!!