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涼月式浦島太郎(上)

2話完結予定。出来るだけ頭を空っぽにしてご覧ください。

 昔々、あるところに浦島太郎と言う青年が住んでいました。大層真面目な青年と言うことで、村の人たちからも好かれていました。

 ある日、太郎が砂浜を歩いていると、子供たちが寄ってたかって亀を虐めているのを発見しました。

「おら! 鈍間!」

「緑色!」

「……」

 助けるのが面倒だったので、スルーすることにしました。どうやら、実際はそこまで真面目でも無いようです。

(ん? 待てよ。確か、亀の甲羅は飾り物として高く売れると聞いたことが……)

 スルーしようとしたところで、太郎は最近聞いた話を思い出しました。

「これこれ。動物を虐めてはいかんな」

 太郎はお金に目がないようです。

「あ、太郎だ」

「太郎だ」

 子供たちが一斉に太郎の方を見ます。そのあと、太郎は何やかんやあって子供たちを追い散らしました。

(さて、どうやって絞めたものか)

 太郎は助けたばかりの亀を見下ろして考えます。彼に慈悲と言う概念は存在しないようです。そんな太郎の前で、傷だらけの亀に変化が露われます。突如として煙に包まれると、亀がみるみる人の姿に変わっていくではありませんか。

「あの、危ないところを助けていただき、ありがとうございました。わたくし、竜宮城に仕える、亀の『セン』と申します」

 煙が晴れると、ピンク色の髪をした薄幸そうなムチムチボディーの女性がそこに立っていました。

「!」

 流石の太郎も、これには開いた口が塞がりません。

「あの、それで、助けていただいたお礼に、あなた様を竜宮城にご招待したく……」

「結婚して下さい!」

「え!?……はい?」

 よくわからないまま夫婦が成立しました。

「って! そういうことではなくてですね、助けていただいたお礼に、あなた様を竜宮城にご招待して差し上げたく思っております! という話です!」

「だから、そんなことより結婚しようと言っておる!」

「いえ、ですから人の話を……」

 フリーダムすぎる太郎に、センは若干涙目です。

「なぁ、主、名はセンと言ったか? ワシのモロ好みじゃ! 可愛らしい顔! デカいチチ! ムチムチの太腿! 脂の乗った尻! パーフェクト! 今すぐワシと夫婦めおとになろう!」

「え、あ、あの……はい」

 センも満更でもなさそうです。

「って! ですから、人の話を聞いてください!」

 数秒後には正気に返るセンでした。


「なるほど、神の使いか」

 その後、どうにかして太郎に話を聞いてもらったセン。太郎は、少しだけ神妙な顔になって頷きます。

「分かっていただけましたか? ですから、お礼として我が主の下にお連れしたく思います」

 センはやっと真面目になった太郎相手に胸を撫で下ろします。

(うう、陸に上がっては虐められ、城の中ではこき使われ、挙句の果てにはこんな変な人に助けられて、どうしてわたくしはこんなに運がないのでしょう……)

(こやつ、神の使いと言うのは本当か? 頭のおかしな奴に関わっちまったかな? いやでも、さっき亀から人になっていたが……ん? 待てよ?)

 太郎の唇が邪悪な笑みを浮かべます、どうやら良からぬことを思いついたようです。

「なぁ、センよ? おぬし、神と言うのは本当か?」

「はい。正確にはわたくしは神の使いですので、亀と神の中間のような存在ですが」

「お礼をするというのは本当か?」

「ええ。助けていただいたのですから、ぜひ! というか、それが決まりですから!」

「ほう、決まり……」

 太郎の顔の笑顔がさらに邪悪なものになります。

「じゃぁ、ちょっと」

「はい?」

 太郎はセンをちょいちょいと手招きします。

「しゃぶれや!」

 太郎は近くに来たセンを跪かせると、自分の汚いホースをセンの顔に押し付けます。

「ひ! あの、ですから、お礼として竜宮城に!」

 センは泣きそうな顔になって必死で抵抗しますが、髪の毛をガッチリと太郎にホールドされていて抜け出せません。

「お礼なんだろ? それが決まりなんだろ? だったら、しゃぶれや。そんな訳の分からないところに連れて行かれるより、センのような可愛い娘にエロイことされる方が俺は嬉しい。だから、ほら!」

 太郎はグイグイとソーセージを顔面に押し付けます。

「あの、可愛い、というのは本当でしょうか?」

 さっきまで嫌がっていたセンが、突然頬を染めて太郎に聞きます。どうやら、センは褒められるのに弱いようです。

「あー、ホントもホント。だから、ほら!」

 太郎はさらに腰を突き出します。とんでもない野郎です。

「……はい」

 ところが、さっきまで抵抗していたセンは、急におとなしくなると、太郎の言うとおりにし始めました。


 一刻程後、二人は服に付いた砂を叩き落とします。

「うむ。ヤッておいてなんだが、どうして途中からおとなしくなったんだ?」

 太郎は妙にアンニュイな顔でセンに尋ねます。どうやら太郎は賢者タイムのようです。

「あの、太郎様は、わたくしのことを可愛いとおっしゃっていただいたので、その……」

 口の周りが汚れたセンが、恋する乙女の顔で答えます。

「あの、わたくし、あのように言って頂けたのは初めてなのです。嬉しく思いました。ですから、夫婦になろうという話も、太郎様さえよければ、あの、お受けいたします」

 センはとんでもないチョロインでした。

「そうか受けてくれるか。よし、では早速祝言じゃ! 安心しろ。センはすっと布団に居てワシの相手さえしてくれていれば良い。一生ワシが飼ってやるからな!」

 いつの間にか復活していた太郎は、センを担ぎ上げてその場を後にしようとします。

「いえ、あの、わたくしの如きを養って下さるのは嬉しいのですが、一つ問題が御座います」

 ところが、さっきまであんなに嬉しそうだったセンは、ここに来て太郎の肩の上で暴れます。

「心配するな! 習うより慣れよだ! すぐに他のことなぞ考えられなくなる!」

 太郎は滅茶苦茶な事を言って、相変わらず話を聞きません。

「違うのです!」

 センはどうにかして太郎の肩から脱出しました。そして、太郎をその場に座らせると、話し始めます。

「太郎様は、玉手箱、というものをご存じですか?」

「玉手箱? ああ、隣村の浦島太郎とか言うジジィが話してるのを聞いたことがある。何でも、その箱の中に入っている煙を浴びると、ジジィになるとか?」

「ええ、ほぼ正解ですが、少し違います。そもそも、玉手箱には様々な種類があります。歳をとるもの、若返るもの、ものを神にするもの、神を人にするもの、肩こりに効くもの、リュウマチに効果のあるもの、腰痛が治るもの、等々」

 玉手箱は温泉の一種だったのでしょうか?

「まるで温泉だな」

 流石の太郎も真面目に突っ込みます。

「いえ。そうではないのですが。それよりも、ここからが重要なのです! あまり知られていませんが、玉手箱は、煙を浴びせた者が浴びた者を操ることが出来る狂気に満ちた箱なのです。つまり……」

(つまりそれをセンに浴びせればワシ専用の奴隷の出来るということか!)

 心の中でガッツポーズを決める太郎でした。下衆はどこまで行っても下衆でしかないようです。

「……という訳なのです」

 そうこうしているうちにセンが話を終えてしまいます。

「あの、聞いておられましたか?」

 思考だだ洩れでにやけ顔をさらし続ける太郎に、センが聞きます。

「ん? ああ。聞いておったそ。つまり、おぬしはかつてただの亀だったころに煙を浴び、半分神となった。だから乙姫とか言うクソババァを殺さない限り、自由にはなれんと言うんじゃろ?」

 変態的なことを考えていたクセに、話は聞いていたようです。

「はい、それに……」

「乙姫とかいう厚化粧のショタコンババァは半分妖怪だから、神力を帯びた宝刀でなければ倒せないんだろ?」

「ええ、その通りです」

 どうやらセンは、心の底から乙姫が嫌いなようです。

「なぁに、ワシに任せておけ」

 そう言って太郎は立ち上がります。


「あの、太郎様、それは……」

 あのあとすぐ、二人は一度太郎の屋敷に向かいました。それはそれは大きな屋敷でした。

「これか? これはな、ある有名な寺院に伝わる宝刀だ。仏像の中には、そう言うのを芯に使っているのもあってな、プププ、馬鹿な坊主どもが、ワシの外面を信頼して仏像の修復を依頼するたびに、取り出して売りとばしておったんだ。ププ。だれが仏像の修復なんてめんどくさいこと、ダダやるんだよ。カネをケチるから、そう言う目にあうんじゃ」

 浦島太郎がさも面白そうにわらいます。相当な悪人のようです。

「流石太郎様。神をも恐れぬその姿勢、セン、一生ついてまいります」

 どうやらセンはもう手遅れのようです。

「うむ。それでは、竜宮城とやらに行くか!」

「はい!」

 こうして悪人二人は、竜宮城の平和をぶち壊す為に立ち上がったのです。

最初に、謝罪を一つ。

連載していた作品の「アルゴス」ですが、いろいろと考えた結果、ここで打ち切らせていただくことにいたしました。ほんっっとうに申し訳ありません。

私としても、続きを書こうと頑張ってみたものの、無理だという結論に達さざるを得ませんでした。

今まで付き合ってくださった方々に対しては、申し訳ない以外の言葉が浮かびません。


今回の教訓を生かして、必ずまた連載作品を投稿していきますので、どうかご容赦ください。

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