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【♂×2】 ~不動くん~
「不動くん、自己紹介をお願いします」
若林先生と不動くんのお喋りが始まります。
また面倒な生徒だわね、たぶん。
「ぼくは不動くんです。たいへん体が大きいです。でもデブじゃないよ? このお腹は、鍛え過ぎて腹筋が一つになっただけなんです、だからデブじゃないよ? デブってバカにしたら張っ倒すからね。全身筋肉の鎧だからきっと絶命するよ? 気を付けてね」
「なんだかお腹プルプルしているけれど……」
さすがに若林先生、的確な指摘です。
デブね、間違いなくデブよね。
「普段は力を入れてないから柔らかいんです」
「いや、でも……それ」
しつこい! 若林先生! もうやめたげて!
脂肪ね、脂肪なのよね。
「……筋肉です」
ああっと! 不動くん恐ろしい形相だ!
なんだかベタベタしてるわ……絶命したらいいのに。
「うん。筋肉です。確信しました。ともあれ、これからよろしくね」
「よろし筋肉」
きっとご飯をたくさん食べて、もっと筋肉がつくわね……ほかっておいても近々絶命するわ。