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① 若林先生+仮説くん+状況=本編
「どうして遅刻をしたのかな」
若林先生が問い詰めてます。
遅刻厳禁。即刻絶命の刑に処するわ。
「可能性として三つあります」
「なんでしょう?」
可能性も何もない気がしてなりませんね。
きっと、何にもないのよね。
「まず一つ、なんらかのアクシデントに見舞われた可能性ですね」
「あったんですか?」
「おそらく、ありません」
ないんかい!
これ何の話?
「二つ目、そもそも学校が嫌いなので来たくなかった可能性がある」
「嫌いなんですか?」
「おそらく、むしろ好き」
なんだか曖昧ですね。
あー、空が青いわ。
「三つ目、そもそも遅刻しない可能性が僅にあります」
「えっ? 遅刻してないの?」
「おそらく、そはれはした。あくまで可能性の話です」
「寝坊?」
「おそらく……うん」
およそみんなそう言うのよね。本当は何があったことやら……ね。