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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

パンドラの箱

BlackBox~開けてみた~

作者: 山本大介
掲載日:2026/05/14

 書けました。


人には触れたくない過去がひとつやふたつありますよね。

それは勿論、私にもあります。

今回は仕事がテーマという事で、これを機にブラックボックスを空けちゃいましょう。

五月病まっさかりの皆様、このお話でも読んでどうか心の溜飲をおさげください(笑)。


あれは前職乳業会社の倉庫業をしていた時でした。

2~3年目ぐらいだったかな。

もう15年以上も前になりますか・・・時が経つのは早いですな。

庫内でのピッキングという仕分け作業をしていた私は、スキルアップするべくフォークリフトの免許を習得しました。

勤務態度も自分で言うのもなんですが、真面目でしたし臨時職員からそろそろ正職員にならなくちゃと心のどこかで思っていたかもしれません。

実際、リフト作業に従事するようになって、上司から「お、そろそろかな」なんて言われて「いや別に」と心とは裏腹に沢尻節で返していたものでした。


そんな中、一週間ぐらい経ったある日、私はいつものように工場から送られてくるパレットに乗った瓶(給食の牛乳瓶とか銭湯のジュースでみられるサイズ)をリーチリフトに持ち上げ移動し、保管場所である3段目の棚の位置へとリフトの爪をあげます。

フローラック式である棚はスライドして数個置ける仕組みです。

ちょんと棚の荷を持ち上げたパレットで押します。

ん?

ここで違和感がありました。

軽く押して動かないのです。

いつも動くのに、一旦降りてラックの動かすボタンを押してみます。

よし、これで。

ぐいっと押し込んだ瞬間。

あれ動かないな。

もう一押し・・・え!

バラバラバラバラバラガラガラガラガラガッシャ―ン!

ドドドドドドドドッ!

それはもう恐ろしい轟音地鳴りと共に無数のガラス瓶が砕ける音がしました。

正直、頭が真っ白になりました。

なにが起きたのか分からず、自分じゃないよねという現実逃避まで起こしてしまいました。

それはもう地獄絵図です。

フローラックや床には液体で水浸し、ガラスの破片は無数に飛び散っていました。

慌てふためくみんな。

足がブルブル震えました。

逃げたい・・・消えたいとあの時思いましたね。


原因はそもそも3段目のフローラックには荷が詰まっており、私がパレットで押し出した為に、前方から荷が落ちてしまったのです。

実はこの事故、数カ月前にもありました。

その時、私は仕分け作業をしていて対岸の火事と思っていたのです。

ちなみに私がやってしまった後、フローラックはストッパーがかかるような仕組みに改善されたようです。


それからは、みなさんが必死で復旧作業に入る中、ぶるぶると子犬のように小さくなり震

えながらも、なんとかなんとかと床を拭いたり、破瓶を回収したりしました。

完全に仕事が滞り、平謝りの半べそでなんとか終業後家に帰りつきました。


翌日、私は仕事を無断欠勤しました。

ふらふらとネカフェへ行き(だったかな)、悶々と時間を過ごし、退職願届を書いていました。

その間、会社からは電話とメールが入り、翌日に行きますとだけ告げ、眠れない一夜を明かしました。


次の朝、私は胸ポケットに退職願を忍ばせ、会社へ向かいます。

それから、真っ先に社長に渡そうと向かったのですが・・・いざ社長を目の当りにして、手が震えて退職届が出せませんでした。

・・・なんでだったのでしょう。

悔しかったのかな、まだ自分にはやることがあると思ったかもしれません。

社長はぽんと肩を叩くと「頑張れ」と言ってくれのかな、なんも覚えてないんです。

そんな感じだったと思います。


その日の朝礼は地獄でした。

みんなを目の前にして、やらかしの謝罪です。

私は深く頭をさげて、顔をあげると、もうぐしゃぐしゃに泣いてしまいました。

ひたすら謝って、自分でも何を喋ったのか分かりません。

もう、申し訳なくて、情けなくて、悔しくて・・・。

だけど、これは必ずやらなくちゃいけないことなんだと言い聞かせて・・・。


それからしばらくの私に課せられた仕事は、後始末でした。

倉庫裏へと運ばれた破瓶の山の整理です。

破瓶を取り分け、無事な瓶中の液体を取り出し、瓶を綺麗に洗浄します。

夏の盛りだったので、数日すると異臭が放ち、瓶の中には変な生き物が・・・。

本当に、なんでこうなってしまったのか、悔いと反省とずっと辞めたい気持ちでいっぱいでした。

むこう3年くらいはずっと溜息をついていて、ずっと辞めたいと思っていました。


でも、不思議と辞めちゃいけないという気持ちはありました。

やってしまったことの償いと見せしめといいますか・・・。

それとも私は転職を繰り返してばかリでしたので、今回は踏み止まらないといけないと思ったのでしょうか・・・。


すぅ(一呼吸)・・・。

このくらいにしておきましょうか。

前からこの話書きたかったのですが、ずっと躊躇していました。

で、こういう機会があり、いざ書いてみると思ったよりずっとすんなり出来ました。

ようやくブラックボックスを開くことが出来ました。

こんな話をするのは恥ずかしいですからね。

汚点でしかないし・・・ちなみに奥さんは知っています。

私が内緒に出来ない性格なので(笑)。


結局、会社では10年以上勤めさせて頂きました。

会社のみんな優しかったもんな・・・。

もの凄く申し訳ない事をしてしまいましたが、私自身は禊はできたかなと思い転職して今に至ります。

ふぅ・・・。

仕事をする上でいろんなことがあります。

こういう事もなきにしもあらず・・・そして逆境を流されるまま立ち向かうのもたまにはいいのかもしれません。

今思い出しても辛いのですが、あの時、逃げなくてよかったと思う自分もいるのです。

そして・・・うんうん、書けた書けたよく、ホッとしております。




 結構ガチ目のカミングアウト・・・良かったんかな(笑)。

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包羞忍恥の心意気 ( ー`дー´)b
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