フィールドボス討伐作戦・前編
フィールドボス討伐作戦。3月の初めの新月の夜行われた作戦。フィールドボス 《幻影の暗殺者 ルーファス》の討伐作戦は極めて難航した。————3月3日。ユウキ。
ザッザッ‥‥。俺とレイトの合同部隊は 《ノツラジー》港の北方3キロの地点を歩いていた。夕方の影がどんどん伸びていく。その瞬間、影が一つ消え、死亡エフェクトが煌いた。一言も発さずに。
「なっ‥‥!」
また一つ消えた。何の音も前触れもなく。剣を抜いた。夕暮れのオレンジが 《エッジ・オブ・ノット》の刀身を染める。
「レイト!」
「分かってる。密集隊形作れ!早く!」
レイトの言葉で合同部隊の隊員たちは即座に密集隊形を作り上げた。上々。
‥‥ガスン!脇に何かが刺さった。一瞬でわかった。投擲用短剣だ…!それも…!毒塗りの!自分のHPバーが赤黒く点滅する。麻痺毒‥‥!
近くの森から黒いローブを纏った影が現れる。視界情報にはボス名 《幻影の暗殺者 ルーファス》とHPバー3本。つまり数値に換算して1万5000のHPか…!グリム最終形態の半分か。でも、この隠密能力といい、何といい、厄介な相手になるのは間違いなさそうだな。
その影は俺の方を向き…すごい勢いで迫ってくる。これが暗殺者の手口か…。
「解毒!」
レイトの声が響いた。———次の瞬間。レイトの攻撃が奴の2本のエッジを受け止めた。エッジの横振りを大きな縦振り 《迅雷閃光》で受け止めたんだ…!そして、攻撃に移る前にレイトの使った解毒ポーションが効果を発揮し俺の麻痺毒は完全に無力化に成功。
「レイト!チェンジ!」
ガギーンという響き。俺の剣が迫る音。普通の敵であればこれで倒せる。俺は瞬きをしていない。なのに‥‥目の前から奴が一瞬で消えた。ありえない‥‥!この攻撃は必勝法と名高いチェンジだぞ。
「お前らの前にいるのはこのルファースだぞ。そんなもので倒せるとでも思ったか」
再び現れた奴は、かなり曇った声で喋ってきた。グリムはユカと同じで、一言も話さなかったのに。
「ルーファス。お前の眼前にいるのはゲームプレイヤーだ」
「その通り。レイトの言う通りさ。お前を倒せないのはゲームではない。ただ、これはゲームだ。おまえを倒せないはずもない」
「「引導を渡してやる。ルーファス」」
どうも。LYONです。ここまで読んでいただきありがとうございます。
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