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ヘッドギアが俺の頭を覆う。今日は1月12日(月)。俺は学校が自由登校なのがいいことに部屋にこもり、今日、正式サービス開始の「バートユニファケーション・オンライン」(以後BYO)を始めようとしていた。新品のヘッドギアをかぶり、ベットに寝転ぶ。目を閉じ、自分の体が「あの世界」に移動するのを待つ。程なく、俺の体から感覚が抜けていく。そして周りが真っ白の世界に降り立つ。
キャラクター作成画面には様々なゲームで使いまわしている「YUUKI」という仮名を打ち込む。
次に容姿の作成。RPGにふさわしい勇者顔の人間を作り上げると、女性の声が聞こえた。
「それでは、世界の統一を目指して頑張ってください。健闘を祈ります」
そうして、青白い光に包まれた俺は西洋の町に降り立った。
まず、すぐに武器屋に走る。β版をプレイしていた友達の情報により、始まりの城の南部を目指す。
他ゲーでも使い慣れた片手用直剣を購入する。名前は「アイアンブレイド」。いかにも最初の剣といった味気の無い名前だ。次に防具。城の西部に向かってダッシュする。途中、数人のプレイヤーから武器屋の位置を聞かれたので、「城の南部を指さし、フレンド登録をして別れを告げる」ということを繰り返した。
城の西部、防具店。腰を下ろして防具を選ぶ。
「軽装のレザーか、重量の鉄か…。どっちがいいだろ?」
独り言が思わず漏れる。すると、それを聞きつけたのか一人の男性プレイヤーが話しかけてきた。
「俺は軽装のレザーをお勧めするな。安価で、安定するし、君の場合片手用直剣だろ?ならスピードを重視したほうがいいと思うぜ。おっと、自己紹介が遅れてたな。俺の名前はレイト」
「ありがとう。レイト・・さん。俺はユウキ」
「レイトでいいよ。βの出身だから何でも来てくれ」
「ありがとう!フレ登する?」
「しておこうか。知り合いは多いに越したことはない」
簡単なメッセージのやり取りを交わす。チュートリアルミッションをクリアし、レベルが上がるファンファーレ。スキルポイントがたまっていることを確認すると、レイトに聞いた。
「最初に上げる片手剣スキルは何がいいんだ?」
「まあ、最初なら《スラッシュダンス》くらいがいいんじゃない?俺、刀だからよくわからないけど」
「じゃ、俺他の店回ってくるから何かあったらメッセージ飛ばして~」
歩き出したレイトの背中に一礼するとインベントリウインドウを出す。装備の部分から剣・防具を選んで装備する。次に回るべきはアクセ。城の北側がアクセ街と聞いていたのでそこに向かって走り出す。
友人からの情報では、少し値が張るが《兵士セット》が強いと聞いていた。ベルトだけでもすべての武器の攻撃力+10%という、驚異の能力を誇る。
購入し装備する。フィールドに出るため北門を通過。すると、システムアナウンスが空に響き渡った。
どうも。LYONです。ここまで読んでいただきありがとうございます。
並行で別作品も書きたいなーって思って書き始めた「俺は今日からNPC討伐部隊長」このタイトルの意味が分かるのは次回!次回も楽しみにしててください!
それではまた次回でお会いしましょう。see you next time.