ファミレスにて
「それで?凪斗と付き合うことにしたって?」
「..うん」
正面に座る唯が、気まずそうに私から目をそらし、もじもじしながら言う。
私、風見花は唯に呼び出され、太陽が沈み切ったこの時間に2人でファミレスにいた。
「自分がずっとめちゃくちゃなことしてるって分かってる?」
「..分かってるよ」
「映画館のあれとか酷かったよほんと」
「ごめん」
「しかもその日凪斗君振ったんでしょ?」
「..うん」
「それで今回付き合うことにしたって?」
「...そう」
「はぁ...」
潤んだ目でこちらを見てくる唯。
色々言いたいことはあるが、ここを詰めたところでどうにもならないだろう。
「凪斗君のこと、男の子として見れるの?」
「..分かんないよ」
「じゃあ何で付き合おうとするかなぁ」
「だってこのままじゃ凪斗..離れていっちゃうから」
「振ったのは唯でしょ..」
「分かってるよ。だから今度はきちんと向き合おうと思ってる」
「それでそれが受け入れられないものだったらどうするの..」
「...」
「結局別れて凪斗君悲しませることになっちゃうよ?」
「..分かってるって」
「別れたら多分今度こそ修復不能になっちゃうよ?」
「うん」
唯の目から涙が溢れる。
後先考えず凪斗君の気持ちを振り回して、
自分勝手だな、とつくづく思う。
でもそれでも、彼女は、凪斗君のために泣いているんだ。
唯は、凪斗君への気持ちを拗らせすぎているんじゃないだろうか。恋愛とか、彼氏とか、そういう名前に縛られたくないその一心で、純粋な気持ちに蓋をしまっているじゃないだろうか。
じゃあ、申し訳ないけど、気づかせてあげるしかない。多少強引にでも。
「もし唯が何にもしなかったら、私が凪斗君取っちゃうからね」
「え....」
か細い声。唯の手は細かく震えていた。




