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9火事と死

ツフィナは休暇のため宿で起きる。


槍の威力を確認するため矢倉を作り発射させる。

槍が飛んで行った場所には木に少しだけ刺さった後が残っている。

木が貫通してないから意味がないの。槍が木槍だったからだと思うの。

貫通できるようにしないとダメなの。

ツフィナは木に残った刺さった後を触りながら考える。

どうすればもっと殺傷力が出るか考えないといけないの。

もっと殺傷力がでるのは三つあるの。

一つは金属メッキ、その二が金属の刃物を付ける。

その三が棒の方も金属にする。

三つを使って弓矢の威力を確認することに考えたツフィナ。


エステ店に行くツフィナ。

「ゼクスに頼みがあるの。」

「どうしたツフィナ。」

「お願いがあるのゼクス。」

「お願いってなんだツフィナ。」

「銀メッキされた槍と棒の部分や刃の部分が鉄の槍がほしいの。お願いなのゼクス買ってほしいの。」

「わかった。」


ゼクスに買ってくれるように頼んで数日後、三つを使って弓矢の威力を確認する。


最初に、ゼクスに買ってもらった刃部分だけ金属メッキにした槍だと木を半分ぐらい貫く。

次に、ツフィナが自分で作った木の棒の先にナイフを付けたものだと木を貫通するほど。

最後に、ゼクスに買ってもらった槍全てが金属の金属槍にすると飛ばない。

木槍を使うことはしないと決めたツフィナ。

ナイフが付けた槍を屋上に設置するツフィナは独裁者アハトに向けて放ち後悔した。


・・・


逃げろ火事だ。と誰かが言う。

煙が見えるが炎が見えない。

アンが念のため独裁者とその家族を外へ避難させる。

ツフィナは独裁者を避難させたことで木を眺めるだろうと考え宿の屋上へ向かう。

前回失敗したゼクスが作った装置を修正した弓に槍を構える。

ツフィナは小さい望遠鏡で宿の屋上から独裁者の屋敷にある木を眺める。

ツフィナの考え通り、独裁者が木を眺めにやって来る。

弓を独裁者に当たる様に調整して、スイッチを押して槍を発射するツフィナ。

木を眺めている独裁者が倒れる。なぜ倒れたのかツフィナはわからなかず混乱してる時には倒れた独裁者のいる所に人が立っておりその人に槍が刺さっているためツフィナは後悔する。


・・・


宿から屋敷に戻るツフィナ。

屋敷に戻ると独裁者ともう一人倒れていた。

もう一人はアンメイド長だった。

「アンさん、どうして。」

「ツフィナ、後は頼んだわよ。」

「なに言ってるのアン、そんなのできないのアン。」

「大丈夫よツフィナ、あなたならできるわよ。ツフィナがメイド長になりなさいよ。」

「アンさん無理なの。」

ツフィナは無理と言い続けるがアンの頼みの声は聞こえづらくなって行く。

アンの声が聞こえないの、アンさん動かないの。

宿から屋敷に戻るツフィナ。

屋敷に戻ると独裁者ともう一人倒れていた。

もう一人はアンメイド長だった。

「アンさん、どうして。」

「ツフィナ、後は頼んだわよ。」

「なに言ってるのアン、そんなのできないのアン。」

「大丈夫よツフィナ、あなたならできるわよ。ツフィナがメイド長になりなさいよ。」

「アンさん無理なの。」

ツフィナは無理と言い続けるがアンの頼みの声は聞こえづらくなって行く。

アンの声が聞こえないの、アンさん動かないの。


・・・


ツフィナは、喪服のまま立ち尽くしていた。周囲では静かにすすり泣く声、足音、布のこすれる音がしていたが、ツフィナの耳には何も届かなかった。


ツフィナは現実が受け止められなかった。

「ツフィナ、私からも頼む。アンにはもう頼めない。」

「そうよ!その人に頼むことなんてできないわよ!」

二人がやって来る。

「これはどういうことツフィナ。」

「なにがあったのツフィナ。」

「わからない。もうなにもわからない。」


しばらくして、棺桶の中に眠るアンが横たわっている。

これは現実なの、と思うツフィナの考えが薄れる。


「どうしてなの、アンさん。」


アンの顔はいつも通りで目を覚ましてツフィナ、おはようそんな顔してるどうしたのよ。って笑いながら起き上がってきそうなの。

それでも唇は動かず、頬も冷たく、瞼も閉じたまま。


ツフィナは腕を強く握る。これから屋敷に戻った後のメイド長となる責任感に悲しむ。


葬儀は屋敷近くの孤児院の近くの墓場で行われた。

棺桶内に花を置いて行く。

参列者はメイド達と元屋敷の使用人だけで誰もが沈痛な面持ちでいる。


土に棺桶が埋められる。ツフィナにメイド達はあなたがアンの代わりだからって独裁者を殺しちゃダメだからと冗談を言う。


私があのとき、槍を撃たなければよかったの、と思うツフィナ。

責任感から胃が痛くなるツフィナ、吐き気が登って来る。


司祭が小さく祈りの言葉を唱える。その声が風に溶けていく頃、メイドの一人がツフィナにそっと近づいた。


「ツフィナ、お別れの言葉。お願い。」


ツフィナは、足をひとつ前に出すがとても重い。

棺の前に立ち、目を伏せ、唇を噛む。


「アンさんはわたしのこと、いつも心配してくれて。お酒を飲むと怖かったけど笑って楽しい人だったの。」


喉の奥がきゅっと締まり、言葉が途切れる。


「アンさんの最後の言葉を聞いたの。でも、できないの。メイド長なんてわたしには無理なの、無理なのアンさん。」


もう立っていられなかった。ツフィナは棺の前に膝をつき、涙を流して嗚咽する。

声が聞こえる。

「ツフィナ、後は頼んだわよ。」

アンに言われた様でツフィナは胃が痛くなる。酒飲みたいの。


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