表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dear World  作者: 山波 孝麻
第1章 たたりもっけと餓者髑髏
77/252

第77話 テチス海における死闘

「フェイレイは、今、生死の境を彷徨(さまよ)っている。コロコにはフェイレイのそばに行ってもらったよ。」


ベルケとノイド、それにマグナもタタラの発言に驚いた。


(かしら)は生きてんのか?」


「うん。危ない状態だけどね。」


ベルケがタタラに懇願(こんがん)した。


「頼む。(かしら)に会わせてくれ。」


「君達が海賊行為を二度としないと宣言してくれるなら考えるよ。」


双子は顔を見合わせ、言葉を詰まらせた。赤の女王が前に出て、マグナに言った。


「とにかく、君は早く宝箱を出して。」


「分かった。上着の内側に入れてる。取れよ。」


赤の女王がマグナに近づき、彼の上着に触れた瞬間、マグナは口から毒霧(どくぎり)()いた。しかし、それを予期していた赤の女王は(ぜん)鳴動(めいどう)斥力(せきりょく)で、一滴残らずマグナに反射させた。


赤の女王はマグナの腹を(しば)っていた血液の輪を上部へと移動させ、彼の(わき)の下からさらに上へと移し、マグナの両腕を上へと上げさせ、首回りの箇所で強く(しば)った。そして、マグナの上着の内側を探り、黄金の宝箱を取り出した。


「おお。金ピカ。(すご)い。」


赤の女王は海坊主(うみぼうず)の船の(へり)にいたマシュに向かって声を上げた。


「やったよ。取り返したよ。」


 赤の女王がタタラのいる所まで歩いて行った時、船に何かがぶつかったような大きな衝撃が起こり、(ひざ)をついた。船の甲板(かんぱん)にいた者達がヨロヨロと立ち上がった瞬間、海から2体の巨大な海蛇(うみへび)、レビュラスが姿を現し、タタラとリョウコを襲った。


タタラは結界術を発動したが、結界ごと()み付かれ、そのまま海中へと引きずり込まれた。赤の女王は咄嗟(とっさ)にリョウコを(かば)ってレビュラスに()われたが、海中へと引きずり込まれる前に宝箱を離した。押されて転倒したリョウコが声を()らした。


「どうしよう。あのヒト、また海蛇(うみへび)に食べられた。」


さらに1体のレビュラスが現れ、讐怨亭(しゅうおんてい)の大型船の甲板(かんぱん)に頭部を乗せた。大きな口が開くと中から海蛇党(うみへびとう)党首(とうしゅ)、サーペンスが姿を現した。


讐怨亭(しゅうおんてい)海坊主(うみぼうず)、それに我らが宿敵。長年、邪魔だったあなた方をまとめて始末できる良い機会です。」


サーペンスは仕込み(づえ)から刀身(とうしん)を抜き、リョウコに襲いかかった。それと同時に、サーペンスを口内(こうない)に入れていたレビュラスが隣の船の甲板(かんぱん)にいた海坊主(うみぼうず)を襲った。


一方、赤の女王の血液から解放されていたマグナは思い通りの展開にならない事態に怒りを(あらわ)にし、カジキの形をした水妖(すいよう)を周囲に乱発した。讐怨亭(しゅうおんてい)の他の乗組員達は混乱の続く状況の中、海へと飛び込んで逃げようにもディープホールがすぐそばにあるためそれも(かな)わず、船上で右往左往(うおうさおう)していた。その中には、マグナの水妖(すいよう)(つらぬ)かれた者もいた。


「あなたはもう退場しなさい。」


サーペンスは横一線に刃を振るって、リョウコもろともマグナを範囲内に収めた強力な水圧の水妖(すいよう)の斬撃を放った。リョウコは()せてその一撃を(かわ)し、マグナは両腕に()めた水妖(すいよう)で防御したが、ベルケとノイドを含め、讐怨亭(しゅうおんてい)の多くの乗組員は船外へと吹き飛ばされていった。マグナは腰に差していた三日月刀(みかづきとう)でサーペンスに切りかかった。


「退場するのはお前だよ。テチス海に何の思い入れもねぇお前は、どの海賊共よりタチが悪い。フェイレイが嫌っていたぜ。」


マグナとサーペンスが刃を交えている(すき)を付き、リョウコが電気の魔法、電界(でんかい)を2人に放った。それに気付いたサーペンスは後退して電撃を(かわ)したがマグナは電気を浴びた衝撃で身体(からだ)硬直(こうちょく)した。


リョウコが素早くマグナの(ふところ)に入り、手甲型(てっこうがた)の短剣で彼の頸動脈(けいどうみゃく)を切った。マグナは手で首を押さえ、(しり)もちをついた。


「どいつもこいつも嫌になる。海坊主(うみぼうず)船幽霊(ふなゆうれい)、アカガミ、スメラギ、それに陸を牛耳(ぎゅうじ)るあの天使。」


マグナの視界がぼやけてきた。


(かしら)。やっぱり、あんた無しじゃ俺達は駄目だった。」


マグナは倒れ、息絶えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ