第75話 コロコの復讐
タタラ達が讐怨亭の船団を追っていると、讐怨亭の船が破壊され、その残骸が海面に浮いているのを見つけた。
「何隻も沈没してる。いったい何があったんだろうね?」
時雨の問いかけに海坊主が答えた。
「仲間割れか他の海賊に襲われたか。マシュの宝箱が海に沈んでないことを祈るぜ。」
さらに船を進め、ディープホールがある海域に入ると、讐怨亭の大型船がアッコロカムイのコロコに襲撃されていた。それを見た赤の女王が声を漏らした。
「何?あの巨大な蛸さん。やっぱり海って怖い。」
リョウコが赤の女王に質問した。
「そう言えば、でかい海蛇に食べられてなかった?なんで生きてんの?」
「食べられてないよ。口に挟まれて、と言うか、噛まれて、いや、噛まれてないな。とにかく、飲み込まれずに踏ん張って、顎から脱出し、海蛇を縛って、空中に逃げた。ああいった体験はもう二度としたくない。」
「空中にね。いいな。私も飛べるように訓練しようかな。これまでは、その時間があるなら体術を磨いてきたんだけど。」
「大きな海蛇さんもいたの?」
話を聞いていたタタラが質問した。
「そうだよ。俺を一飲み出来る位の大きな海蛇さんがいたんだよ。」
「おおぉ。」
タタラは巨大な海蛇に変身して、優雅に海中を泳いでみることを想像した。気持ち良さそうだったが、茶々丸や分福丸を連れていけないのが残念だった。
「あんた達。あのとんでもない怪物を前にして、よくそんな世間話に興じてられるね。」
時雨がぴしゃりと言い放った。タタラが返答した。
「大丈夫だよ。あのアッコロカムイのコロコとは、さっきお話ししたし。」
「はっ?」
「あの船を沈められたら、宝箱もなくなっちゃうから、ちょっと待つように行ってくる。」
「なんか面白そうだから、俺も行く。」
タタラは奥義 受肉改変により、背中に飛竜の羽の骨格を生やして飛んでいでいった。それに続いて、赤の女王も飛び上がろうとした時、リョウコが赤の女王の両肩を掴んだ。
「私も行く。」
3人が讐怨亭の大型船に近付くと、コロコが腕を船にからみつかせ、船ごと讐怨亭の者達をディープホールに沈めようとしていた。それに対し、マグナやその他の戦闘員が武器や魔法で必死に応戦していた。
タタラがコロコの腕に降り立ち、両手を当ててコロコの魂に呼びかけた。
(コロコ。タタラだよ。この船には讐怨亭に奪われた大切な物があるんだ。まだ、沈めないで。フェイレイの容態だけど、彼ははまだ寝込んでる。出血は止まった。でも、心配な状態が続いてる。海賊は僕達が相手をしとくから、コロコはさっきの島に戻って、フェイレイの近くにいてあげて。)
コロコは腕に巻き付けた数名の海賊をディープホールの方へ投げ飛ばした。そして、海面を1回叩き、海の中へ消えていった。
タタラは讐怨亭の甲板へと移動し、マグナ達と向き合った。
「君達が船幽霊から奪った黄金の宝箱を返却して貰うよ。」




