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Dear World  作者: 山波 孝麻
第1章 たたりもっけと餓者髑髏
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第32話 2つの天体

 茶々丸(ちゃちゃまる)分福丸(ぶんぷくまる)はツバキに近寄り、彼女をじっと見つめた。


「な、何よ?」


茶々丸と分福丸は同時に声を発した。


「にゃあ。」


「みぃぃ。」


「か、可愛い、子ぶったって私はなんとも思わないからね。」


顔を赤らめてそう言ったツバキはそっぽを向いた。


「にゃあぁぁん。」


ツバキはちらりと茶々丸の方へと目をやり、こっそりと頭に触れようとした時、シヴァが話し始めたので、さっと(うで)を引いた。


「私達、ここから離れて、東から来る(むし)迎撃(げいげき)するわ。蟲が群れでここまで来ちまうと、お前ら兄妹を守りながら戦闘するのは難しそうだからな。行こうぜ、茶々丸、分福丸。」


 シヴァ、茶々丸、分福丸、そして、二体の骸骨竜(がいこつりゅう)は東へと向かって行った。ツバキは見えなくなるまで、茶々丸と分福丸の後ろ姿を見つめていた。



 タタラは空中で、圧倒的な数の蟲を前にして身震(みぶる)いした。それは形をうねうねと変化させる巨大な生きた黒い雲のようで、世界を滅ぼしうる天災そのものであった。曼荼羅(まんだら)を検索しても、このような規模の事例は確認出来なかった。


「カゲツノハムシさん。ごめんなさい。君たちは精一杯に生きているだけだけれど、このままだと、世界が荒廃(こうはい)しちゃうんだ。」


 タタラは曼荼羅(まんだら)に保存した分福丸(ぶんぷくまる)の技、秘術 隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)を発動し、巨竜の幻を(つく)り出して、蟲の群れの上部に飛ばした。


 空を(おお)()くす蟲はさらに高度を上げ、巨竜に向かって飛び、たかり、巨竜を核として、蟲が(うごめ)く不気味な球体を作り始めた。地上に()っていた蟲も羽を広げて飛び上がり、地面が顔を出すと、結界を張って、蟲の脅威(きょうい)から(のが)れていた兵士達がいた。全員が手傷を負い、ひどく憔悴(しょうすい)し、末那(まな)もほとんど残っていない状態だった。


 タタラは魂の空間軸に保存していた暗黒物質を改変し、ヒトの骨格を出現させて、兵士達の結界に張り付かせ、その骨格を起点に結界術を発動させて兵士達を保護した。


 幻の巨竜を核とした蟲の球体はさらに増大した。


「今度は、茶々丸(ちゃちゃまる)の技を使わせて貰うね。」


 タタラは火の末那(まな)()って、大きな炎の球体を出現させた。地上から空を見上げると、黒と赤の天体が観察される異様な光景となった。


 タタラは炎の塊を圧縮し、小さな球体とし、さらに炎を追加して先程の大きさまで拡張し、再び小さな球体とした。これをもう三度繰り返し、最後に極限にまで圧縮した炎を蟲の天体に放った。


「秘術 飛縁魔(ひのえんま)。」

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