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俺とオレの異世界冒険譚  作者: 切り札の一手
2/5

1.召喚。そして、突然の戦闘

2話目の投稿になります!突如として異世界転移に巻き込まれた主人公…その運命や如何に!

「うーん…はっ!ここは…?」


目が覚めると辺りには森林が広がっていて、俺の傍にはボロボロの剣が突き刺さっている。


「この剣、随分と古いな…何年前の剣なんだろう…って、そうだ!レイジ!レイジはいるか!」


『おぉ、ようやく目が覚めたか…良かった良かった。オレもさっき目が覚めたばっかりなんだよ…で、ここは一体どこなんだ?』


「わからないけど、変な魔法陣みたいなのに巻き込まれて、気づけば知らぬ場所…これは間違いなく異世界転移、もしくは異世界召喚されたんじゃないかな」


『マジか!つまり、オレ達はラノベみたく異世界に来たのか!テンション上がってきたぜ!ここからオレ達の冒険譚の始まりだ!』


いつにもましてテンションが高いレイジはさておき、とりあえずどうするか決めないと。


とにかくまずは情報収集しないことには始まらないし…こういう時、ラノベとかなら都合良く人が通り掛かったり、何かしらで説明されたりするんだけど。


とりあえず、まずはステータスと言ってみようか。


「ステータス」


そう口にするが特に反応はなし…この世界はステータスとか存在しない世界なのか?


『ステータスとかないんだな…しゃーない、地道に情報を集めてこうぜ』


「だね。俺1人なら難しいかもだけど、レイジが居るなら何とかなるかもだ」


『へへっ!任せておけって!それじゃあまずは―――――』


レイジがそう言い掛けて、目の前に獣が現れる。


1、2……目視だけでも最低5体は居る。


もしかしたら、見えないところに何体か居るかもしれない。


異世界に来て、いきなりピンチか…どうする?


『どうすんだ、あれ!オレ達、自分達が何できるかわかってないぞ…』


「とりあえず、一旦落ち着こう…武器になりそうなのは…この剣だけか…なら、これでやるしかないだろう」


『使えるのか?この剣…めちゃくちゃボロボロだぜ?』


「何も倒し切る必要はないからな…追い払うことができれば儲けものだ。とりあえず、生きていれば敗北じゃないし」


『了解…お前の判断を信じるぜ』


「サンキュー」


そう答えて、近くの剣を引き抜く。


すると、ボロボロになった剣が光輝き、まるで新品のような輝きを放つ。


「すっげー…ボロボロの剣が新品みたくなった…」


『…!仕掛けてくるぞ!レン!』


その言葉に反射的に剣を振るう。


斬れた…!まずは1体!このまま行けばなんとかなるかもしれない。


ただ、今のでわかった…俺は剣がそこまで得意じゃない。何の根拠もないけど、直感的にそう感じる…なら!


「レイジ、ここは任せた!多分、お前の方が剣を使いこなせる!」


『わかった!ここはオレに任せろ!』


その返答を受けて、レイジに身体の主導権を移す。


所謂、人格交代。俺とレイジはそれなりに長いこと一緒に居るおかげか、こういった芸当も可能だ。


この人格交代を駆使して、今まで互いの苦手分野を補い合ってきたのだ。異世界でもそれは変わらない。


「…よっしゃ!行くぜ!」


レイジに人格交代し、戦いを任せる。


レイジの戦いぶりは凄まじく、次から次へと襲いかかる獣を薙ぎ払っていく。


すると、あっという間に獣が全滅した。


レイジは元々運動が得意だったけど、予想以上の戦いっぷりだ。もしかしたら、異世界に来たことで俺達の身体能力が上がっているのかもしれない。


って、そんなことを考えている場合じゃなかった。万が一に備えて早めにこの場を去らないと。


「すっげー…めっちゃ馴染むわ、剣。レンの言う通りオレは剣が得意みたいだ」


『油断は禁物だ!早くその場から離れろ!』


「えっ?何でだ?」


『増援が来る前に、早く!』


「りょ、了解!」


俺の言葉を聞いて、レイジは慌ててその場を後にする。


(増援が来る前にってどういうことだ?)


『あくまで可能性の話だけど、どこかに隠れて俺達の様子を見ていた獣が居るかもしれないし、その獣が増援を連れてくる可能性もあったからな。さっさとあの場から離れたかったんだ』


(考えすぎじゃね?)


『そうかもしれない。だけど俺達はまだこの世界のことを何も知らないからな…慎重になるのは間違いじゃないと思う』


(ま、それもそうか…わかった、とりあえず安全そうな場所まで逃げてみる)


『頼む』


そうして、俺達はとりあえずの安住の地を求めて走り続けるのだった。

///////////////


「これは一体どういうことなの?」


私は目の前の光景に驚きを隠せず、そんな声を上げる。だが、それもしょうがないと思う。かつて、魔王を打ち倒した勇者の剣がなくなっているのだから。


その剣は勇者が眠る場所とされているこの場所に墓碑として挿されていた剣であり、少なくとも昨日まではここにあったはず。


私の居る教会は勇者の剣を見守る役割を与えられているため、1日も剣を見守る役割を欠かしたことはない。


つまり、勇者の剣は今私が来る前に誰かが持って行ったことになる。


だけど、勇者の剣は選ばれし者にしか抜けないはず……まさか!?


「新たな勇者が誕生したというの?なら、会いに行くしかないわね」


幸いにも、剣の持ち主を探しに行く方法はある。今、目の前で死骸となっている魔物はハンターウルフと呼ばれている獣で、少々特殊な性質がある。


ハンターウルフは複数体で狩りを行う獣で、直接狩りを行う部隊と、監視をするハンターウルフに分かれて行動する。


直接狩りを行う部隊で獲物を狩ることができればそれで良し、駄目なら監視をしていたハンターウルフが増援を呼び、獲物を追い詰める。


そういうなかなか組織的な動きを行う獣で、油断していると、どんな手練の冒険者も死んでしまう可能性がある。


対処法としては、まず監視のハンターウルフを倒し、その後に直接狩りを行う部隊を倒すか、1度撤退して、戦力が集中したところを一気に叩くといった方法がある。


剣の持ち主は後者の手段を取ったようね…なかなか冷静な判断能力の持ち主だわ。


ハンターウルフは1度に多くの損害を受けた場合、しばらくの間、人間の前に姿を現さなくなる。後々のことを考えるなら、リスクは高いけど後者の選択をするのは間違いじゃないもの。


「これは、本当に新しい勇者が誕生したのかもしれないわね」


とにかく、あの獣の後を追いましょう。剣の持ち主を獲物として認識している以上、付いていけば必ず剣の持ち主に辿り着くはずだし。


そう考えて、私はハンターウルフの後を追うのだった。


レンとレイジは長く一緒に居るので、瞬時に人格交代が可能です。しかも、人格交代の時にはほとんど時間を消費しないので、ほぼノータイムで交代できます。


というわけで、軽く主人公の人格交代の説明をしたところで終わります。


ここまでの拝読ありがとうございます!

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