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悪の棲む新居2
暫くして 今まで住んでいた小屋の様な家を取り壊し 8畳2間のプレハブの部屋を増築しました
おかげで我家は 5LDKの平屋建て
素晴らしい……
しかし、このプレハブ部屋は父の企みがあって追加した物でした
革張りの応接ソファーに日本刀
紫の生地に金糸で
「○○連合○○一家」
と刺繍してある立派な掛軸……
そう 父は極道になっていました
この頃から父は テキ屋には行かず プレハブの部屋で毎夜行われる賭博の寺銭で暮らす様になりました
寺銭というのは
賭博する際に 遊びに来た人が開催してる家主に払うお礼金見たいな物です
プレハブの部屋には
玄関から入り すべての部屋の前を通って一番奥の部屋(居間)の壁に穴を開けて
大きい掛軸で穴を隠して秘密の入口になってました
なので毎夜 毎夜 夜中に我が家にはたくさんの来客が訪れ玄関に鍵を掛けた事はありません
そして毎晩奥の部屋からサイコロや花札の音や 博打で熱くなった男達の声が聞こえる中
私は眠りについてました