幼なじみがおかしい
Twitter企画「#深夜の真剣物書き120分一本勝負」参加作品
感想とかまってまーす
最近、幼なじみのツイートがおかしい。
そう思い始めたのは俺だけではないはず。
友人、平谷姫奈のツイートがおかしいのだ。
「殺す、殺してやる」
「あの言葉は嘘だったのね」
「許さない」
「死んでやる」
「私が悪かったんだね…私が全て悪いのよ!」
など、朗らかな性格だった幼なじみの姿は到底想像できないツイートばかりだった。
アイツはどうしたのか…。
中学のお互いの気恥ずかしさであまり喋らなくなり、高校進学で少しずつ距離が開き、大学進学で会うことすらほとんどなくなってしまった幼なじみ。
大人に近づいた今ならと、メールを送ってみることにした。
「大丈夫か?何か悩んでるなら話聞くが?」
ただ、それだけのメールだった。
しかし、そこから話が続き会うことになった。
そして別れ際、
「ありがとう……信じてもいいんだよね?」
「ったりめーだろ。幼なじみだろ?」
と言葉を交わし別れた。
その後も二、三回会って話を聞いたり気晴らしに遠くへ出かけたりした。
遊園地や、山登り、博物館にも行った。
「ここでキスしたりすると、まるで夢のようね。」
そうはにかんで彼女は言い、俺の腕をそっと掴んだ。
彼女にも彼女を愛してくれる人が1日でも早く現れることを俺はそっと祈った。
そうしてる間に時は流れ俺にも一番大切にしたいと思える女性ができた。
穏やかで控え目な人だった。
ある日、姫奈に家に来てと呼ばれた。
そして何も考えずに姫奈の家に行った。
次のデートはどこに行こうと大切な人のことを考えながら。
用件は、俺の大切な女性についてだった。
泥棒女と穏やかで控え目なあの人を罵り、そして姫奈は俺に罵声を浴びさせた。
裏切り者、お前もか!と。
そして口喧嘩になった俺は姫奈の部屋を出て階段を降りようとしたところで後ろから衝撃を受けた。
体が軽くなり不快感が全身を巡る。
最後に見たのはおぞましく、朗らかに笑う姫奈だった。
狂った華は寄生し生きていく。
それが己の物だと錯覚して。
清らかな華はどこへ行ったのか。
それでも狂った華はどこか清々しいように思えた。
読んでくれてありがとうございました