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チョコ事件3

 「うーん……。外部の者が来たようだがチョコをカチカチに変える意味がわからない。何のメリットが……?」


 ツマは腕を組んだままウロウロとその場をうろつき始めた。どうやら考えているらしい。


 「この一時間足らずでどうやってチョコをカチカチにしたんっすかね?」

 「はっ!」

 ニッパーの言葉でツマは閃いた。


 「そうだ。チョコをカチカチに凍らせるには長時間冷凍庫に入れておかなければならないじゃないか!つまり、ニッパー君のチョコをカチカチに凍らせるのは不可能だ!きっと、先に『冷凍庫にチョコが長時間入りっぱなし』だったんだ!」


「ん?でも誰か来たのはこの一時間の間っすよ?」

ツマの言葉にニッパーが首をかしげた。

ツマはニッパーの顔を眺めながらチッチッと指をふった。


「青いな。ニッパー君。」

「青い?私は火を使うからどちらかといえば赤い……。」

「若造が。」

ニッパーの言葉をツマは偉そうに遮った。どこかの探偵の真似をしているのだろうか?


「ニッパー君、こう考えたまえ。一時間の間で来た女神は冷凍庫に入れっぱなしにしてしまったチョコを取りに来たと。……つまり、彼女は二回この図書館に来ている。一時間前に来たのは二回目だ。」

「なるほどっす……。」

理解ができていなそうなニッパーにツマは意気揚々と話し始めた。


「バレンタイン祭りは二日に渡って行われていた。犯神の女神は一日目の祭りに参加し、ニッパー君と同じチョコをもらった。そしてそれを図書館の冷蔵庫に入れた。しかし、後でそれが冷蔵庫ではなく、冷凍庫だったことに気がつく。慌てた女神は私達が外でのんびり盆栽を眺めている間にチョコを冷凍庫から冷蔵庫へと移した。」


「んん……でもそれだと冷蔵庫に入っているチョコの箱は二つになるっす。でもひとつしかなかったっすよ?」

「それの謎を盆栽に解いてもらおう。」

ニッパーの不思議そうな顔を眺めながらツマは再び松に向き直った。

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