第1話
俺は目を覚ました。そして沢山の視線を感じた。
目の前には沢山の人だかりが出来ていた。
「おい。ここに人がいるぞ」
「お前、どこから現れやがった!」
「ママ、あれ何?」
「見てはいけません!」
俺はこの世界に来て早速変質者扱いされた。それと同時に俺は叫んでしまった。
「うあぁぁぁああぁ!」
俺は人が苦手なんだ! 勘弁してくれ!
俺は猛ダッシュしてその場を立ち退いた。
今俺は街の外れに来ている。迷った。
この世界の人は逃げる生き物を追いかける習性でもあるのだろうか。ずっと俺の後ろ追いかけくるの! なんなんだよ!
そのせいで今どこに居るのかわからない。とりあえず服装はこの世界の物だな。あの女神さんは意外とそこらへんは、ちゃんとしてくれるんだな。
とりあえず俺はまず、金を求めて街の大通りに出た。
「おぉぉ!」
思わず感動してしまった。まさに誰もが想像するファンタジーな世界が広がっていた。
「とりあえず最初は金だ」
そう。金が無いと始まらない。どこかで今すぐ始められる仕事を探さなくてはいけない。
こんな時はギルドとかに行って仕事の依頼を受けるのが一番手っ取り早い。
あんまり命を懸けたくは無いが、ギルドには普通の依頼だってあるだろう。少なくとも俺の中ではギルドは冒険者に仕事をくれる、ハローワークみたいなものだとおもっていた。
『居なくなった猫を探してください』的な依頼があってもおかしくは無いだろう。
「ここがギルドか‥」
ゴツい装備の人について行ったら、それらしい所に着いた。
そう言えば、能力!
俺には女神に貰った能力があったんだった。
(確か、思考に反応するんだよな)
俺はギルドの受付に向かった。
「いらっしゃいませ。あら? 新人さんですか?」
今だ!
俺は能力を使った!(なんでこのタイミングで使ったのだろうか)
お....おおおおお!
やった!やった!
俺はギルドの建物の外にいた。
これ、また能力を使ったら無限に戻れるのではないか!?
戻れなかった。
どうやらこの能力は、1回戻ったらまた、1分経たないと使えない。
まぁ、もしそれが出来たならチートだよな。
俺は本日二回目。ギルドの受付に向かった。