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プラウファラウド  作者: ドアノブ
七話 銀世界の騎士
73/93

銀世界の騎士 - VIII

 セーラが目を開けると、そこは深い闇の中であった。


「……ここは」


 意識が覚醒したばかりの中、一体何があったのかを知るために記憶を探る。

 そして直前の状況を思い出し、続いて現在がどういう状態なのかを理解した。自分は正体不明の万能人型戦闘機によって撃墜されたはずだが――こうして意識がある以上は、どうやら即死は免れたらしい。


 周囲は静寂に満たされている。

 機体がセーフモードに移行しているのだろう。機体内の温度が保たれていることを考えるに生命循環維持装置は生きている。真横から両断されたにも拘わらず、機体の主電源自体は未だ健在のようである。もしそれが偶然だとすれば、それははたしてどのくらいの確率だろうか。

 

 セーラは一先ず身動きをしようとして――右腕から鈍痛。

 熱した釘を中の骨に直接打たれたかのような鮮烈な刺激が襲いかかる。その不意打ちに金髪の少女にしては珍しく顔を僅かに顰めて――しかしそれも長続きはしなかった。すぐに痛覚を遮断したためだ。


 痛覚は身体の状態を意識に知らせるための重要な機能ではあるが、度を超した刺激は行動の阻害になるだけである。戦場に出る以上は身に傷を刻むのは当然のことであり、その都度作業効率を落とすのは歓迎出来ることではない。

 そのため、軍用基準性能調整個体(ミルスペックチャイルド)には痛覚を無効化させる機能が備わっている。もっともそれは神経の感覚を切断するようなものではなく、体内に注入されている特殊ナノマシンが一部の感覚を麻痺させるための成分を分泌するという、些か原始的な手法のものであるが。

 軍用基準性能調整個体の中でも歩兵としての役割を持たされたタイプならば、それこそ痛覚などを電気信号レベルで操作することも可能であるが――あらゆる状況に対応すべく万能性を重視されて設計されたセーラではこれが最大限であった。

 

 腕の感覚が消えたことを確認したセーラは、次に機体の操作パネルへと動く方の手を伸ばす。機内は変わらず闇に包まれているが、少女の視界は常人よりも遙かに夜目が利くために、その操作には迷いはない。  

 思った通り、機体はセーフモードに入っていただけであった。搭乗者の命令を察して、暗闇になっていた機体内に光が灯っていく。


 そうしてからまず最初に確認したのは、先程激しい痛みを訴えてきた自分の右腕である。暗がりの中で幾らか動かそうと試みてみたが全くその素振りは感じられなかったのだが――それもこうして見てみれば納得がいった。

 光に照らされた彼女の片腕は半ばから原型を失って、真っ赤に染まっていた。衝撃で変形した装甲に押し潰されたらしい。肩より下、肘の僅か上の部分から下は見るも無惨な形になっている。特殊合金製に据え置かれた骨格も、強靱な人工筋肉もずたずたに引き裂かれ、或いは圧縮されて皮と骨と肉と血とがぐちゃぐちゃに混じっている。最早これは軽いホラーの領域であろう。

 もしかしたら気を失っていた原因は機体撃破時に受けた衝撃ではなく、この腕の惨状による痛みだったのかもしれない。程度によっては備え付けの緊急医療パックを使って応急処置を行おうかとも考えていたが、この腕は治療処置を施してももう再生は不可能だろう。無駄な行程だと考えて、処置案を破棄する。


 次いでセーラは現在時間を確認。

 今がまだ作戦中であるのかどうかが、焦点であった。


「――作戦は継続中」

 

 表示された現在時刻に、目を細める。

 セーラが気を失っていた時間は僅か数分であったらしい。作戦総時間を考えれば決して短いとはいえないが、それでもマシだったと言える範疇であろう。最悪、機体の残存電力が切れるまで目を覚まさずにそのまま死亡していた可能性もあるのだから。

 セーラは試しに機体の状態を確認するが、それは徒労に終わる。


 ――全複合感覚器、機能停止。

 ――相互通信不可。

 ――残存電力低下。

 ――損傷甚大。起立不可、戦闘続行不可能。


 告げてくる状況は、自分に現状で出来ることは何も無いということだった。

 データ接続(リンク)も受信機能が停止しており、一方的に状況を送り続けているだけのようだ。

 現在のこの機体は生命循環維持装置が機能しているだけの、鉄の箱と何ら変わりない。それも、残っている電力が切れてしまえば棺桶へと様変わりする儚いものだった。


 音の無い空間の中で、暫し、セーラはどうするべきか逡巡する。

 このままここにいたとして、彼女に何か出来ることは無い。じっとしていても何れは生命循環維持装置が切れ、機体ハッチの開閉すら出来なくなる。

 だが、光学感覚器(センサー)すら使えない現状は外の状態が一切分からないことを意味していた。外で未だ戦闘を行っているのか、そうでないのかすら分からない。外に出た瞬間、敵兵に囲まれていると言うこともありえないわけではない。

 作戦が終わっていない以上、セーラは作戦完遂に従事するべきではある。だがしかし、今のこの状態で自分が外に出たところで何の役に立つというのか。下手をすれば、足手まといとなる可能性もあった。


「……」


 機能の大半を失った鉄塊の中でただ一人、指示を仰ぐべき存在もしない。

 自分だけで判断するべき状況。

 動くべきか、動かざるべきか。

 二つの思考の合間に断たされて、セーラは全身が麻痺したように身動きが取れなくなる。


 どうにも、ここ最近はそういった機会が増えてきているような気がした。

 臨機応変というものを覚えろと、同僚であるエレナは言っていた。

 命令に従うだけではなく、より効率的に動けるように自己で判断しろと。

 彼女の言うそれは優れた資質を持つ兵士の条件であり、現在の軍用基準性能調整個体が備えていない欠陥部分でもある。


 かつて海上都市で生み出された最初期の軍用基準性能調整個体は、その全てが感情を持っていたと聞いていた。

 普通の人間のように、時に喜び、時に笑い、時に泣き、時に怒り。

 そして――それ故に失敗作の印を押されることになったとも。


 軍用基準性能調整個体。

 あらゆる状況でも最大限のパフォーマンスを発揮する理想の兵士の実現及び量産を目標とした、戦うために生み出された存在。それがセーラのはずである。

 しかし自分はその完成形には程遠いということは、今の状態を見れば理解出来る。

 兵士として必要な身体的な能力を備えていたとしても、感情を廃した事による自発的な思考の欠如、決断力の不足、命令系統への依存。

 自分に備わっていないものは余りにも多い。

 更には、単純な戦闘能力ですらクルスや今回遭遇した敵機など、自分よりも優れた者達が存在する。


 ならば、自分が存在する意味とは何だろうか。

 戦うために生み出されながら、その役割も充分に果たせない。命令を果たせぬ道具に、果たしてどれほどの価値があるのか。軍用基準性能調整個体は未だ研究途上の技術と言ってしまえばそれまでだが――ならばその過程で生み出された自分はその後、何をすればいいのだろうか。


 無論、この場にその質問に答える者はいない。

 この狭く薄暗い空間にいるのは、ただ一人、セーラ=シーフィールドという軍用基準性能調整個体の少女だけである。彼女は自分だけで判断を下す必要があった。


 痛みが無くなったとはいえ、傷が癒えたわけではない。自然と荒くなる少女の息遣いが雫の音のように木霊する。たった一人だけのこの空間をストレスに感じることはない。人の気配が無い事も、閉鎖された機内も、軍用基準性能調整個体の少女にとっては一様に感心を持つべき対象では無い。だがこの時、セーラは何かが物足りていないような感覚を覚えた。しかしその捕らえ所の無い淀みのような感覚は、明確な形になることが無い。まるで湖面に映った影のようであった。


 錯覚だ。

 セーラはそう結論づけて、思考を重ねる。

 現状、最優先にするべきは何か。

 軍用基準性能調整個体としてどう動くべきなのか。


 不意に――セーラの中に『自決』という言葉が脳裏に浮かんだ。

 余人には唐突に思えるその思考は、こと軍用基準性能調整個体にとっては当て嵌まらない。


 眼、骨、筋肉等、人体生成にも用いられている素材情報、高速伝達擬似神経回路、脳内に埋め込まれた特殊演算装置、生体補助用特殊ナノマシン――海上都市に存在する幾つもの最先端技術を組み合わせて生み出された軍用基準性能調整個体は、その存在自体が機密の集合体といっても過言では無い。その情報の流出は出来うる限り防ぐべきである。


 状況漏洩において最も危惧されるべきは、軍用基準性能調整個体が敵に殺害及び鹵獲され、身体を解剖されてしまう場合だ。

 その為、軍用基準性能調整個体に注入されている数種類のナノマシンの中には宿主の生体機能の停止が確認された場合に――その他にも幾つか作動条件は存在するが――体内組織及び組み込まれた機構を検分不可能なまでに破壊するよう指令が組み込まれている。

 最終的に追い込まれたときには自然と自決という選択をするように、軍用基準性能調整個体の思考の根本にそれは強く植え付けられているのである。

 それは最早、一つの本能と言っても良い。


 乗っていた万能人型戦闘機は大破、そしてセーラ自身も片腕を損壊し作戦続行が可能とは言い難い状況。外に出るにしろ、この場で待機するにしろ、セーラが作戦行動に復帰出来る可能性は限りなく薄い。加えて、極々短時間に絞られた今回の任務。

 奇襲性を重視した今回の任務で、自分の救出作業が行われる可能性もまず無いと考えて良いだろう。

 

 だとすれば、彼女がするべきは万が一にも生け捕りにされて情報解析をされる危険性を避けるために、自ら命を絶つことではないだろうか。所詮は末端の一戦闘ユニットである。過分に惜しまれるような存在では無い。

 構成された遺伝子に刷り込まれた情報に導かれ、極々自然にセーラはその結論にまで辿り着き、


「――」


 何故か。

 孤独や精神的圧迫とは無縁の生活を送ってきていたセーラであるが、不意に体温の低下を感じた気がした。それも体内に直接冷気を流し込まれたような、芯が凍り付くような寒気である。

 生命循環維持装置は正常に機能している以上、機内の温度低下はありえない。実際、計器が示す内部温度数値は一切の揺れを見せていない。

 

 自身が感じているそれが環境的な要因で無いと知れて、セーラは僅かに困惑する。

 死ぬということを恐ろしいと思った事は一度も無い。

 だがセーラはこの時、自分が死ぬという選択を選ぶことに躊躇している事実に気がついていた。

 一体その根源どこにあるのか。

 セーラは以前にも似たような覚えを持ったことを忘れてはいなかった。 


 かつて触れて、感じた。

 そんな暖かな感触を思い出す。


 ――もっと傍に居たい

 ――もっと同じ景色を見たい

 ――もっと触れていたい。


 ――もっと。



「ああ、なるほど……」



 胸内に去来するのは貪欲とも言うべき渇望。

 死ぬのが恐ろしいのではない。

 死ぬという行為の結果、今後二度とあの体温を、温みを、息遣いを。あの全てに触れられなくなることに強い忌避感を覚えているのだ。


 軍用基準性能調整個体。

 あらゆる命令に従い、惑わず、焦らず、ただ戦うためだけに生み出された、その本質は兵士よりも兵器ともいうべき存在。初期型の軍用基準性能調整個体とは違い、感情の発現を抑制されて生み出されたはずの軍用基準性能調整個体が。

 それは、そんな彼女が初めて感情の色を自身で明確に認識した瞬間であった。


 或いは――次代発展型へのアップデートを目的に調整されたセーラの本懐が、もしくは海上都市にいる研究者達の実が結んだ瞬間と言っても良いかもしれない。



「――」



 不意に。

 薄暗い機内の中に切れ目が出来上がり、光が差し込む。

 その差し込んだ白い明かりの眩しさにセーラは僅かに眼を細めた。


 恐らく外から緊急開閉用のコードが入力され、機体が受け付けたのだろう。緊急時用に設定されたコードは所属ごとに違う。この短時間で敵兵に解析されたということもありえないだろう。となれば大凡の予想は付く。しかしその反面で、まさかという思いがある。

 現在行っている作戦の性質を考えれば、それはありえない事態だった。


 セーラはだんだんと広がっていく光の切れ間を、身動きすらせずにただ呆然と見やっていた。 

 中に籠もっていた暖気を追い出すかのように、外から肌を刺す極寒の冷気が舞い込んでくる。

 そして。


「……セーラ!」


 セーラの視界に映ったのは、肩で息をする少年の姿だった。

 中肉中背。戦う人間としての身体が出来上がっているとは言えず、その体躯は軍人とは思えないほどに頼りない。だがそれでいて、彼が操縦する万能人型戦闘機は度々埒外な軌跡を残していくことをセーラは知っている。常人であれば平衡感覚を失って然るべき機動を平然と行うだけの能力を持っているのである。

 大陸では余り見ない夜闇を溶かし込んだような黒い髪に、赤を匂わせる焦茶色の瞳。外は零度を下回っているというのに、その額には僅かな汗の玉が浮いていた。


「クルス、少尉」


 呆然と呟く。

 確かに、今この状況で自分の目の前に現れる可能性のある人物がいるとすれば彼以外にはありえない。

 だがしかし、今回のような制約の多い任務の最中でこの人物は一体何故救出行為などを行っているのだろうか。


「セーラ、大丈夫か!? 掴まれ!」


 伸ばされた手を、セーラはつい何も考えずに掴んでしまう。 

 握られた力が予想外に強かったのかクルスは一瞬だけ眉間に皺を浮かべたが、すぐにセーラの身体を引っ張り上げた。通常の人間の身体よりも密度の高いセーラを、思いのほか力強く引きずり出す。

 はたしてクルスという少年はここまで力強かっただろうかと疑問に思ってしまうほどに、セーラにはその感触が頼もしく感じられた。


「な、お前……その腕……!」


 セーラを引きずり出したクルスが、震える声と共に目を見開く。

 その視線が自分の右腕に向けられていると気がついて、セーラは今の自分の腕がどうなっていたかを思い出した。白陽の下に晒されたその腕は、見るに堪えない醜態を露わにしている。半身を真っ赤に染め上げている原因にもなっているその部分は、今のセーラにとってどうしようもなく恥ずかしいものに思えた。


「……」


 何となく、肩だけを動かしてぶら下がっているだけの右腕だったものを背中に隠す。


「……汚いので」

「いや、汚いじゃなくて……。――お前、その腕は大丈夫なのか!?」

「問題ありません」

「そんなわけあるか! どう見ても潰れてるぞ!? 痛みは!? 止血は!? 動くのかそれ!?」

「動きませんが、問題ありません」


 目の前の少年が心配しているその様子に何か温かいものに触れたような感覚を覚えつつ、首を振る。実際腕に関してはもう今後使い物にはならないだろうが、痛みは無い。差し当たって問題になるようなものでは無かった。

 当事者からそうは言われてもやはり視覚的な印象からは抜け出せないのか、目に見えて狼狽するクルスを観察しつつ、ふと背景に目がいった。


 視界に広がるのは破壊の光景。

 死体、瓦礫、炎、残骸。

 凍てついた銀世界を侵食していくかのように、命を啄んだ黒煙が天の(きざはし)を昇っていく。それはこれまでにも幾度となく見てきた、戦場の姿だった。


 そんな破壊に見舞われた世界の中に紛れるようにして、一機の万能人型戦闘機の姿がある。

 深い闇を思わせる複合装甲を身に纏った、漆黒の巨人。象徴的とも思えた巨大な黒刀は、今はその手の中に収まっていない。猛禽類を連想させた鋭い指先は無残に潰れ、一部の装甲板は高熱に晒されたかのように焼き爛れていた。

 セーラはその姿を呆然と見やる。

 項垂れたような姿勢のまま片膝をついているが、あれは緊急時や長時間において中の人間から命令を下されない場合に自動姿勢制御機構(オートバランサー)が機体負担を軽減するために自動で取る姿だ。

 一見すると機体正面の装甲と、片手の指が潰れていること以外は損傷は見当たらない。いつでも起動可能な状態に見える。それでもあの姿勢を取っているということは、恐らく中の人間が意識を失っているということだろう。――それがただ気絶しているだけなのか、或いは命を落としているのかは不明であったが。


「……あれは」


 セーラは少しだけ目を見開いた後に、


「あなたが?」


 訊ねる。

 セーラの記憶が間違いで無ければ、あの機体は〈フォルティ〉の性能を遙かに凌ぐ代物であったはずだ。クルスが万能人型戦闘機の操縦技術に関しては他の追随を許さない領域にいることは理解しているつもりだが――それにしてもあの機体に競り勝ったというのは信じがたい。


 セーラの質問に対してクルスは何とも言えない決まりの悪そうな表情を浮かべて、頬を引っ掻いて見せた。


「まあ……、そうと言えばそうなんだけど」


 情けなすぎる方法だったけどなと、嫌そうに口の端を歪めた。

 戦いの過程を知らず、こうして結果だけ突きつけられたセーラにはクルスとあの機体の間で一体どのような戦いを行ったのか想像もつかない。そもそも爆薬の類いを積んでいなかったはずのクルス機がいったい何をしたら、相手にあのような傷跡が残せるのか。

 気になりはしたが――セーラは一先ずその疑問をおいて現状の把握を優先した。

 セーラの認識が間違っていなければ、いまだ部隊は作戦続行中のはずである。少なくとも無為に浪費して良い理由は無い。


「クルス少尉、現在の作戦状況は?」

「ん? ……あ、そうだっ、急がないとやばいんだった! セーラ、すぐに撤退するぞ!」


 クルスはまるで今思い出したかのように、慌てた様子を見せた。


「取りあえず、目標は全て破壊完了。施設も半分以上が崩壊、ついさっきタマルから目標達成が通達された。あとはとんずらするだけだ。急がないと敵増援に捕まる!」

「なるほど」


 セーラは一つ頷く。

 その切迫した状況を感じさせない無表情な少女を見て、クルスは首を振った。


「何を冷静に頷いてるんだ、お前は!? いいから急げ! 乗り心地は最悪だろうけど、こっちの機体で運搬するぞ! ……ああっ、けど、どうやって固定すれば……? ……そもそも、セーラ! お前、その腕は本当に大丈夫なんだろうなっ!?」


 慌てふためくその姿に、セーラは何か込み上げるものを感じる。

 本当にこの少年は、万能人型戦闘機を操っているときとそうで無い時で余りにも印象が違う。別人と言っても良いのではないだろうか。


「……問題ありません、クルス少尉。私の腕は精々二度と使い物にならない程度の損傷です」

「問題無いのハードルが低すぎだろ!? 世間一般じゃ充分に問題あるわ!」

「そうですか。ですが世間一般では無いので」

「そんな自覚を今持ってくるんじゃあない! 誰も得しねえから!」

「それと」


 視界の端では言葉を無視されたクルスが口元を引き攣らせていたが、セーラはそれをまるで見ていないかのように扱い、背景に佇む黒色の万能人型戦闘機ではない、もう一つの機体へと視線を動かした。

 流線型を多用した輪郭を持つ、アーマメント社製万能人型戦闘機〈フォルティ〉――だったもの、と言うべきだろうか。過去形である。

 

「あれは……動くのですか?」


 率直な疑問を口にする。 

 その状態は酷いの一言だ。

 敵であった黒い機体と同じく正面装甲は高熱に晒されたように焼き爛れ、両腕は全損、左側に至っては肩の付け根ごと破壊されている。複合感覚器の集積体である頭部は装甲が拉げて内部が露出し、一目で機能していないと理解出来る。

 客観的に見てしまえば、残骸という表現に違い状態なのではないだろうか。


「……問題無いぞ、セーラ。推進機関も跳躍機構も健在だ。精々複合感覚器と自動姿勢制御機構が半分停止しかけてるくらいで。両腕が無くなったお陰でバランスが取りやすい可能性すらある」

「随分と問題無いのハードルが低い気がしますが」

「世間一般じゃないからな」


 とクルスはそこまで言った後に、自分の眉間に盛大に皺を刻み――思わずといった風にセーラの顔をまじまじと見た。幾分か接近してきた少年の顔を真っ直ぐに見据えつつ、


「……なにか?」


 こちらを窺うような様子を見せるクルスに対して疑問を覚え、セーラが訊ねる。

 クルスは少し困った風に視線を彷徨わせた後に、頬を搔いた。


「いや、なんか……いつもよりも口数が多いと思って」

「――」


 そのまるで自覚していなかった言葉にセーラは閉口し、数度目を瞬かせた。

 その妙に人間味を感じさせる少女の反応を見て、再びクルスは変なものを見たような顔をしたのは言うまでもない。



   *** 



 はあ、という声にもならない吐息が自分の口から漏れ出ていった。

 果たしてそれが意味しているのは、呆れか、落胆か――はたまた別の何かか。  

 一ノ瀬にはいまいち判別がつかなかった。


 最初の一機を撃墜した時点で相手が撤退してくれることを期待したのだが、それは適わなかった。あの一幕を見れば彼我の戦力差は明らかなのに何故撤退しないのかと疑問に思っていたのだが――、


「仲間の救出のために離脱しなかったのか……」


 光学感覚器で捉えた外の様子を眺めながら、一ノ瀬は理解した。

 装甲表面は傷だらけ、両腕を失い機能の大半を低下させているであろう機体が、最初に一ノ瀬が撃破した機体の傍で片膝立ちの乗降体勢に入っている。

 あの状態でよく機体を上手く操作出来るな感心する。外から観察する限りではいつ転倒してもおかしくなさそうに見える。もっともその姿にしたのは自分であるが。


 ぼんやりとその外の光景を眺めながら、これからどうするかなと考える。


「まあ……、武器もなくなっちまったしなぁ」


 そう誰かに言い訳するように独りごちる。

 愛刀とでも言うべき超振動戦闘用長刀――雷光は手元から離れ、備えであった内蔵式の超振動ナイフは半ばから刀身が消えてしまっている。一ノ瀬の機体〈黒鐵〉はその二つの武装しか積んでいないという常軌を逸したものであるため、現在は一切の武装の無い状態だった。

 武装が一切無い万能人型戦闘機など無駄に高級な案山子のようなものだ。ここで徹底抗戦に出なかったところでそれを咎める人物などいないだろう。

 それは確かに事実ではあるが――実際の所、一ノ瀬は万能人型戦闘機で徒手空拳の戦いを行える自信もあったので、あの傷ついた敵程度ならば容易に取り押さえることが可能であった。


 今のこの一ノ瀬の様子を見れば分かることであるが、愛機〈黒鐵〉も一ノ瀬自身もそう大した損傷は無い。至近距離の爆発には不意を打たれたが、それで弾け飛んだ破片は明確な指向性を持っていなかった上に、間に挟み込んだ刃が盾になったことにより被害を大幅に軽減していた。派手な熱跡も装甲の表層が溶けているだけだ。一番大きなものでマニュピュレーターの大破であるが――戦闘は十分に可能だ。


 ――全ての武器と両腕を失い、頭部の複合感覚器の主部も損傷した敵機と。

 ――片手と機体の正面装甲に損傷を負いつつも機能的には些かの問題も無く、主要兵器はいつでも回収可能なこちら。


 これから戦闘を継続するとして、どちらが優位かなど考えるまでもない。 

 だがそれをする気にもならなかったのは、扱っている機体に明らかな優劣が存在していながらここまで粘られた相手に対する敬意の表明かもしれなかった。


 一ノ瀬はこの世界に来てから命を奪うことを良しとしていない。

 例え一ノ瀬が殺人を犯したとしても、こんな世界なのだから咎める人間はいないだろう。だがしかし、自分自身の心はどうだろうか。

 極限状況下において、その人物が取る行動はままその人物の映し鏡となる。

 どれだけ取り繕っても、自身を騙すことは出来ない。人を殺したとき、一ノ瀬はきっと自分が自分であるための何か大事なモノを失うだろう。その確信があった。


 (しん)(しん)(しん)(もっ)(おの)(しん)を成す。


 これは一ノ瀬に武の教えを説いた師匠の弁である。

 口頭で伝えられたら一聞では何を言っているのかもよく分からなそうな、早口言葉にも似た言葉だ。実際一ノ瀬が初めて聞かされたときにはついにボケたかこのじじいと思わず口に出してしまい、酷い目に遭った。


 その後に文字を見せられても日本にいた頃はいまいちぴんとこなかったが、この世界に来てからは一ノ瀬は何となくその意味が分かった気がしていた。……もっとも本人から正確な意味合いを教わったことは一度も無いので、ただの勘違いかもしれないが。


 もしこれで親しい人間などが被害に遭っていたらまた違った感情があったのだろうが――一ノ瀬の現在の所属はトハルト・インダストリー社である。この基地に派遣されてきたのも研修みたいなものであり、しかもここに来てから他人とろくに交流を持った覚えはない。

 一連の騒動で防衛任務を失敗したという覚えはあれども、この場所に対する帰属意識のようなものは全く湧いていなかった。

 データ接続で送られてくる情報を見る限りどうやらノエルも無事なようであり――遠距離の敵を叩きに向かったはずなのに全然違う座標にいることは気になったが――一ノ瀬的にはこれ以上戦闘を継続する意味が見いだせなかった。しかも相手はもう抵抗手段のない、死に体に近い状態である。これを相手に勝負を挑むというのはあまりにも体裁が悪い。


「子供……?」


 なのでぼんやりと一ノ瀬は傍観していたのだが。

 思わず呟いて、目を見開く。

 崩れた機体の中から姿を現したのは、幼い印象を感じさせる少女の姿だったのだ。


 片腕が鮮血に塗れているのは潰れたからか。人間が乗っているコックピットブロックは勿論のこと、爆発の可能性のある燃料部や動力部も傷がつかない箇所を狙って撃破したはずだったが、それで絶対に安全に済むというわけではない。

 落下の際に衝撃で潰れたか、あるいはひび割れた破片に貫かれたか。

 自分よりも年下の子供が鮮血に染まっているという事実に、一ノ瀬は強い忌避感を覚えてしまった――その割には、当人が痛みを訴えるような素振りを欠片も見せていないのが少し気になったが。

 あれを自分がやったのかと考えると、どうしても気が重くなる。機体を再起不能にするのではなく、両腕を切り落とすなどにした方が良かったかもしれない。


 今後の参考にしようと考えつつ、次いでさっきまで戦っていた敵機のコックピットから出てきたその姿に、一ノ瀬は呼吸を止めた。

 それは随分と久方ぶりに見る――しかし良く見慣れた特徴を持つ人種であった。

 白人よりも濃い肌を持った、夜闇を溶かしたような色の、黒髪の少年。


「おいおいおい、日本人だったのかよ……」


 今まで戦っていた相手の正体を知ってしまって――一ノ瀬は大きく溜息を吐く。

 そこにはかつてない疲労感が入り混じっていた。


 もしかしたら自分以外にも同じ状況に陥っている人間が居るのではないかと――想像程度には考えもしていた。しかしもしそうだとしても、それは自分と同じ条件下だと思い込んでいたのだ。だがそれがまさか、この世界の低性能な量産機に乗っているとは意表を突くにも程がある。


「どこに忘れてきたんだよ……」


 壊したのか、取られたのか。或いは、カモフラージュか。

 その理由は分からないが、なんとも頭を抱えたくなる真実だった。もし向こうがそれと分かる機体に乗っていてくれれば、色々と話し合いの余地はあったというのに。

 同じ境遇同士、出来れば交流を図りたかったのだが――この状況で快く呼びかけに答えてくれるほど向こうも呑気ではないだろう。少なくとも自分であったらまとものに取り合う気にはならない。


「どこの勢力かも結局分からず終いだからなあ……」

 

 メルトランテの敵対勢力というのは分かるが、如何せんこの国は戦線を多方面に広げすぎている。加えて内部の軋轢も多いだろう。候補は余りにも多すぎた。

 一番の手掛かりは用いている機体だろうか。しかしそれとて、鹵獲や横流し品も存在するために宛になるとは言い難い。部品の製造番号などから何か分かる可能性もあるが――相手もそこまで迂闊ではないだろう。


「あーあ……」 


 何とも言えない気持ちでいる一ノ瀬に気づく様子もなく――当たり前だが――怪我人を収容した機体が離脱していく。

 半壊している機体だというのに、惚れ惚れしそうな離陸である。

 自動姿勢制御機構に頼っていない操縦技術といい、火器管制の自動予測を上回る照準精度といい――恐らくは『プラウファラウド』内でも上位層のプレイヤーだろう。加えて、戦闘中に見せていた操縦の特徴からして軽量機乗りだろうか。そのカテゴリの搭乗者は極端に少ないために、ある程度はプレイヤー名を絞り込める気がした。 

 空の晴れ間へと消えていく機体の後ろ姿を見送りながら、かつて凌ぎを削ったプレイヤー達のネームを思い出しつつ、 



『はあ。まさか、ここまで使えないなんて。』



 それは余りにも唐突に。


「……え?」


 可憐な声が機体内に響き渡った。


 一ノ瀬は思わず呟いて、通信機を見やる。

 聞き間違いというには余りにもはっきりと、その声は聞こえすぎていた。しかし、それは聞き慣れたノエルのものではない。それよりももっと幼く、それと同時に硬質的な何かを感じさせるものであった。

 そうしてからふと、複合感覚器に小さな反応があることに気がつく。

 一ノ瀬は機体の光学感覚器が捉えた映像を見て、


「……はい?」


 それは。

 硬質な灰色の髪に、病的なまでの白い肌を持った少女だった。

 黒ゴシックいドレスと、フリルの付いた日傘。

 それは崩壊した基地には余りにも不釣り合いな少女の姿であったが、一ノ瀬はそれ以上にその存在感に違和感を覚えた。無機物的な雰囲気は先程救出されていた金髪の少女にも似ていたが――しかし違う。

 血の通った生き物というよりは、まるで作り物人形が自動で動いているように見える。


 その少女は握っていた傘の柄をくるくると回転させて暫く遊ばせたあとに、真っ直ぐに人差し指を向けてきた。一ノ瀬と少女の間には物理的に分厚い装甲板が存在しているというのに、すぐ目の前で突きつけられたような錯覚を覚える。

 人の意思を感じさせない硝子玉のような灰色の瞳が真っ直ぐに一ノ瀬を見据え、その違和感を感じるほどに均等に配置された位置にある、小さな唇が開かれる。


『なんでとどめを刺さないの? 役立たず。』

「……通信だって?」


 機体内に響き渡る少女の声音に一ノ瀬は驚く。

 

『花飾りもつけない。主催者が配った招待状も持ってない。ドレスコードも守らない。そんな無粋なお客さんなんて退場させて然るべきだわ。まったくもう。そんなこともわからないなんて。ロリエはがっかり。がっかりよ。』


 一ノ瀬はモニターに表示されるその少女の存在を見つめる。

 見た限り、その少女が通信機の類いを持っている気配はない。ただその場で小さく口を動かしているだけだ。だというのに機体の通信機からは少女の声が響いてきている。


『でもいいわ。そんな駄目なところも受け入れてこそいい女だものね。安心して。あなたの失敗はロリエが埋め合わせてあげる。』

「……何を言っている?」


 理解が出来ずに呟く。

 だが少女はまるで一ノ瀬の声など聞こえていないかのように――或いは本当に聞こえていないのか。何かの童謡を歌うような演技かかった調子で言葉を漏らしながら、軽い動作で傘をくるりと回す。


『ちゃーんと教えてあげたよ。あんなボロボロじゃもう逃げれない。汚らしいお洋服で裏口からダンス会場に侵入した無粋な乱入者はこれでお終い。これからはまた元通りよ。みんなで仲良く踊りましょう?。』

「……お前は、何を言ってる……!?」


 一ノ瀬は理由の分からない焦燥感に突き起こされて、声を上げた。

 客観的に状況を語るならば、外に正体不明の少女が居る。

 ただそれだけだ。

 だというのに、一ノ瀬には言葉では表現し難い衝動に駆られた。それは酷く感覚的なものだった。動物的な本能と言ってもいい。理性や思考などではなく、生物としての直感。

 本人すら自覚出来ない根幹的な部分が、眼前の相手に対して険しい警告を発していた。

 何をどうしようと考えたわけでは無い。

 ただ胸内に湧く衝動に突き動かされるようにして、一ノ瀬は機体を動かしていた。

 荒廃した銀世界に佇む少女へとその巨腕を伸ばし、


「――!」


 爆風が捲き起こる。

 万能人型戦闘機の残骸が発火を起こしたのか、或いは施設の設備に問題が発生したのか。正確な理由は分からないが、突如として発生した黒煙によって少女の姿が完全に覆い隠された。

 そして次の一陣の風と共に視界が晴れた後には、もうその姿は完全に消えてしまっていた。

 彼女の小柄な身体ならば爆風で吹き飛んでいてもおかしくはない。だがそうではないだろうと、一ノ瀬は確信していた。


「なんだったんだ……? 踊る?」 


 幽霊にでも遭遇した気持ちになりながら、一ノ瀬は先程の少女の言葉を反芻する。


 ――花飾り、招待状、ロリエ、ダンス会場、乱入者。


 与えられた情報は余りにも断片的で、形を成さない。

 数の欠けたパズルのピースが手元にあるようなものだと思った。今あるだけのものを強引に繋ぎ合わせたところで、一枚絵の完成図が見えることは決してない。或いはそのことを理解しているからこそ、あの少女もこれらの情報の破片を放り投げてきたのではないだろうか。


『――ユーマ、聞こえますか!?』


 不意に聞こえてきた女性の声。

 それは先程とは違いやけに聞き慣れたものであり、無意識のうちに意識を先細らせていた一ノ瀬に柔らかな安心感を与えてくれる。


「ノエル……、無事だったか」

『ええ、そちらも無事のようですね。状況は?』

「敷地内に侵入した敵機は撤退を確認。遠距離から飛んできていた誘導弾攻撃も止んでるが……逃げたっていうよりは、目的を達成したからって感じだな」


 一先ず、先程目にした人形の様な人物のことは記憶の隅に追いやって、ノエルとの会話に意識を向ける。


「そっちはどうなってるんだ? 予定ではそっちが遠距離の敵を片付ける算段だっただろ。なんでそんな場所にいる?」


 データ接続によって示されるノエルと〈フェオドラ〉の位置座標は、相変わらず敷地内の中である。


『その予定でしたが……移動の最中にレーダー破壊を目的としていたらしき敵万能人型戦闘機を発見したため、そちらの追撃を優先しました』


 なるほどと、言葉に出さずに頷く。

 基地内のレーダー施設は最重要防衛目標である。施設を破壊して回る遠距離砲撃も厄介ではあるが、遊撃に出た敵を見逃すわけにはいかなかったのだろう。


「それで、結果は?」


 訊ねると、少し拗ねたような口調が通信機越しから漏れ出てきた。


『あまり意地悪を言わないでください。防衛対象の目標座標が消えていることにはとっくに気がついているのでしょう』


 ノエルの言葉通り、最初に設定しておいたレーダー施設の反応は現在、全てが消えてしまっている。つまり既に破壊されてしまっているということである。

 多少抜けたところはあるが、ノエルの搭乗者としての腕は確かだ。加えて、彼女が与えられている〈フェオドラ〉は、現行機と比べれば性能的に大きなアドバンテージを持っている。

 それにも拘わらず彼女が出し抜かれたということは、それ以上に相手がやり手だったということである。正体がプレイヤーであった例の相手は抜きにしても、やはり今回の相手は相当な凄腕部隊であったらしい。


「……まさかプレイヤーが複数いたって事は無いよな……?」


 ふと思いついた嫌な思考に僅かに口元を引き攣らせてから、


『ですが、悪いことばかりではありません。確かに基地は壊滅状態に陥りましたが……、先程管制から連絡が入りました』

「連絡? ……というか、管制はまだ生きているのか?」

『少数の生存者が場所を移してようやく機能を開始したみたいです。形ばかりですがね……。ええと、それで伝えられてきた連絡内容によると、すでに増援をこちらに向かわせているとのことです。そのまま敵部隊の追撃に当たらせると』

「……増援」


 一ノ瀬は、その言葉に何か引っかかるものを覚えた。


『ええ、ですがその詳細は私達には伝えられていません。所詮は他所のお客様、話すつもりは無いということでしょう』

「……」


 確かにノエルの言葉に偽りは無い。

 国家防衛戦力を無闇やたらに人目に晒さしたくないというのは、防衛の観点から見れば極々自然の要求であり、思考である。

 だが、何故だろうか。 



 ――ちゃーんと教えてあげたよ。



 先程の少女の言葉が、一ノ瀬の耳を突いて離れなかった。




明けましておめでとうございます。

すこし間が空いてしまって申し訳ありません。

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