4, なんで僕ばっかり!!
ガチャ
「ただいまーーー」
あれ?何でドア、開いてるんだ?
ちゃんと閉めたのに...
悪い予感しかしない。
玄関を見てみると、一つの靴があった。
大家さんの靴だ。
僕は、早足でリビングへ向かった。
「こんばんわ。待ってたわ。」
思った通り、そこには、大家さんが居た。
「こんばんわ。
あのどうしたんですか? 」
思い切って聞いてみた。
そして、大家さんが次に発した言葉は、とても衝撃的だった。
「ここを出てってくれるかしら。」
え? なんで?
ちゃんと払っているのに...
「貴方のお母さんが、亡くなったからよ。
だから、明日か、明後日には出てって。まあ、親戚にでも連絡取って、引き取ってもらいなさい。」
僕は、全部聞き終わる前に、家を飛び出した。
息を切らしながら向かった先は、良く行くお寺だ。
僕の母親が、死んだ?
ああ、まただ。
悲しくない。
心に渦巻くのは、
少しの絶望と息苦しさ、そして焦りだ。
あの人のことだ。きっと、浮気相手と心中でもしたんだろう。
「...っ」
でもなんで、出て行かなければならないんだ!!!!
僕のことを引き取ってくれる親戚なんて、居ないだろう。
僕は、どうすればいいんだ。
すると、向こうから足音が聞こえた。
僕は、身構えた。
「凜透か? 」
そこには、秋斗が居た。
「同僚からお土産貰ったから、一緒に食べようかと思ったんだけど、家には、大家さんしか居なかったから...。やっぱりここだったか。」
ああ、秋斗だ。
僕の頬に、冷たいものがつたった。
「...ん。」
そう言って、ハンカチを貸してくれた。
僕は、いつものポーカーフェイスが崩れ、笑みを零した。
「秋斗...。僕のお母さん死んじゃったから、もうあそこ住めないんだって。
僕を引き取ってくれる親戚なんていないし、僕、どうすればいいんだ? 」
すると秋斗が、パーカーのフードをめくった。
僕の顔があらわになる。
「あ!!」
「凜透。」
肩が大袈裟に揺れる。
すると、秋斗の大きな手が僕の頭の上に置かれた。
「じゃ、一緒に帰るか。」
そう言って、秋斗は僕の手を掴んで歩き出した。
僕は、掴まれてないほうの手で、フードを被った。
「どこに!」
「ここ。」
秋斗の家だった。
桃月さん
ポイント入れて下さって、
有り難うございますぅぅぅぅぅぅ!!