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イズムを貫け!

雨の日のふれあい動物園はお客さんも少なく、接客時間も長めとなり、のんびりした感じになる。

ひよこの触り方がまったくなっちゃいないような子も、帰るころには上手に触れ合えるようになっている。そんな光景を見ていた時、ふと学生時代のアルバイトの事を思い出した。イベント会社での戦隊ショーのバイトだ。私は図体がデカいから、いつも悪の親玉役だった。戦隊ショーが中心だったが、時には違った仕事もした。ミニSLや通称フワフワと呼ばれていた空気で巨大に膨らませたキャラクターの中で遊ぶ遊具だ。いまだに正式名称は知らないが。それらは非常に重たく、トラックで運搬していた。で、そのトラックにはこう書かれていた。「子供の夢、運搬中」と。

SLなんかには興味などないのだが、乗ったことがある。あの遊具で遊んだことがある。そんな、好奇心のみで体験してみたことが、ずっと記憶に残るのだ。親もそんな体験を沢山させてくて子供を連れていく。子供も親もそんな感情で行動しているのだ。そう考えた時、躍起になって動物について知ってもらおうとする姿勢というのは、本当に必要なのかという思いが頭をよぎる。つまり理想を高く掲げれば掲げるほど、お客と我々との間に温度差が生じるのだ。そんなつもりで来ていないし、そんな真剣に動物と向き合う考えもないからだ。

しかし我々は真剣に取り組んでいるし、興味を持って接してもらいたい。悩んだ結果、そのまま理念や理想を変えずに我が道を行くことにした。好奇心のみで体験しにきた子たちに追加のクサビを打ちこみたいのだ。ただでさえ記憶に残るのだから、強烈な記憶にだってなるはずである。それがイズムってものだ。

「子供の夢、搬送中」。子供の夢の中の一つに、動物に関係する何かがあることを願って。

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