体験
いつも思う、動物ってすごいなって。動物って特に着飾るわけでもなく、言ってみれば素っ裸で日々生きている。特に何を持っているわけでもないし、何か物をくれるわけでもない。なのに人々は会いに行き、笑顔になり、あればグッズを買う。人間が同じ体験をしようとしたら有名人かスターになるしかない。その辺のおっさんが街を歩いていたって誰も気にも留めない。ところが例えばデコポンが歩いていたら皆注目するだろう。なぜだろうか?動物の本質はスターと同じなのだろうか?スターと言えば、何かに秀でて、さらに人々から好かれて、神から二物も三物も与えられたほんの一握りの人のことだ。当然金持ちで、美男美女という基本条件もクリアしている。対してデコポンはというと、毎日、口の周りにいっぱいエサを付けて、所かまわずオシッコして、ひっくり返ってゴロゴロしている。イケメンかどうかわからないし、お金は1円も持っていない。共通点が無いのである。
だとすれば、珍しいとか、自分の周りにはいないとか?観光地に行く感覚と似ているとか?
人間は、体験好きで珍し物好きだ。だからあちこち行きたがるし、あれこれ食べたがる。
もしかすると、それなのかもしれない。会う「体験」をしたいのだ。馬は珍しくはないが、周りにいるかというとそうでもない。イベントにデコポンが来る。時間はあるから好きとかではないけど、会ってみたい。この方程式が一番しっくりくる。有名人やスターに会いたいのもこの衝動と言える。ただ、人間の場合その有名人やスターになるのが大変なのだ。種が違う動物たちは、やすやすとその一線を越えていて、有名人やスターと同列のポジションにいるのである。
動物たち=スター。だからイベントにはたくさんの人が来るのだ。まぁパンダがいい例か。触れなくても、行った、見たというのも立派な「体験」なのだから。




