優しさと気遣い
とあるイベント日。設営を完了して動物たちを出して、お客が入り始めた矢先。急に風が強まりだした。あれよあれよと風速が上昇していき、10mまで達した。せっかく設営したのだが、テーブルの上の物が飛ばされてしまったら危ないので、下におろす。敷いてあるブルーシートも風になびき、そのバタバタと大きな音にモルモットたちの慌てぶりは尋常でない。今にも外に飛び出してしまう勢いだ!ウサギのサークルもだんだんと風にあおられてズルズルと動き出す。もしもサークルが倒れでもしたら、ウサギたちはいっせいに外に飛び出してしまう。あっという間にそんな危険な状況になってしまった。多くのお客さんは状況を察してか、自分たちの行動で手一杯なのか引いていく。だがしかし、一部の人は、すぐそばで、風と一心不乱に戦っているスタッフたちなど一向に気に留めず動物を触っている。動物たちも風の音や風の冷たさでキツイ状態なのに。
こういう方々は、決して動物が好きなのではないのだなと思った。ただ触りたいだけなのだ。動物の事、周りの事などどうでもよく、自分たちさえ満足出来れば良いのだ。そんな人は、その時のストレスが原因で動物が死んでしまっても、自分たちの責任とはゆめゆめ思うまい。
人間は極めて利己的だ。特に昨今は個人主義が強くなり、いつでも、どんな時でも、自分を優先するようになってきた。社会は自分だけではなく、みんなで形成している。共に心地よく暮らしていくためには、やはり、相手を思いやったり、気遣ったり、丁寧な対応だって必要なはずだ。
それが遠のくようでは、多様性だの、動物と共生だの100年早い絵空事に過ぎない。
日本特有の同調ではなく、自分の感性を磨き、周りに気を配れるようになりたいものである。
SNSで得ただけで、経験も体験もない知識を振りかざす個人主義など不要なのだ。




