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7年を振り返ると

 動物と共に働き始めて7年が経つ。勢い込んで動物の諸問題に目を向けたものの、思うような成果や結果などそう簡単には現れてはくれない。私は2拠点生活をしており、1年の半分を日本で、半分をベトナムで過ごしている。実は7年前からベトナムの方で、「動物を語る会」を主宰しており、外国での動物に対する考え方や接し方に深く関わってきた。結論から言うと、それは日本とは全く違う。劣っているとか、遅れているとかではなくて、異なっているのである。強いて言えば、「物」の領域を出ず、支配以下の扱いともいえるだろう。もちろんかわいがっている人もいるが、ほとんどの人は「物」と思っている感は否めない。だから、共に過ごす時間などは不要とされ、そこにかかるお金は無駄とされる。先進国ではないと言うのもあるのか、とにかく 人間第一の活動中心なのだ。これが現時点での私の感想である。

 では日本はどうかというと、極端な事例を除けば、残念ながらベトナムとさほど変わらないと思う。極端な事例とは、例えば犬猫などを食す文化というか習慣の違いだ。その他はベトナムとほぼ一緒。多少日本の方が愛護色は強いのかもしれないが、無関心者も相当多い。

 秋になるとあちこちでイベントが行われる。ふれあい動物園を呼ぶと来場者数が増えるので、目玉イベント的にお呼ばれすることが多い。開園前から行列ができ、来場者の目は動物に釘付けになる。

いよいよ開園の時、我々と、おそらく動物たちもゴクリと唾をのみ込む。「いよいよだ」。

開園と同時に、来場者はなだれ込んでくる。まずは、ひよこたちが無造作に握られ、高々と持ち上げられ悲鳴を上げる。ウサギたちは追いかけまわされ、ヘビはやたらとクビに巻かれクタクタだ。ハリネズミは睡眠を邪魔され、モルモットは踏みつけられそうになる。アヒルやニワトリは相手にされず暇そうだ。

 それに対して我々は、注意喚起の張り紙をしたり、触れ方や展示方法の改善を繰り返し行い、最近は何とかこの惨状を回避することが出来るようになった。声を掛けてくれるイベント会社さんも気を使ってくれるようになった。大変ありがといことである。しかしまだまだ多くのところが、集客の為だけの「物」である動物を呼ぶパターンが多い。そういうイベントには正直ウチの子(動物)たちを出したくない。なぜなら「物」ではないからだ。

7年経ってもまだこんな事を考えている。まだこんな状況なのだ。だが、両国とも、少しずつではあるが、良くなっている部分は絶対にある。そこの部分を見逃さず邁進していきたい。

本来、動物と触れ合うことは、とても有意義で意味のあるものだ。もちろん集客に関しても最強のツールには間違いないだろう。であれば、動物も来場者もイベント会社も我々も楽しく満足のいくイベントにしていかなければならない。それが動物哲学者の存在意義でもあるからだ。


風と動物の対話室ではそんなこともたくさん話していきたい。




 

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