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7day's nightmare  作者: 梨藍
―Friday― †二度と放さない†
13/23

【カスミside】

†light†きぼう†

もうっ!

どうしてそう自分を卑下するのかしら。


私が言いたいのは、そういうことじゃないのに。


シンデレラは、女の子の憧れのお姫サマ。


――でも……


「0時を過ぎたら、誰ひとり見向きもしない。灰被りに戻っちゃう」


私の言葉に、レージの表情が醜く歪む。


きっと、自分と重ねてるんだろうってことは、容易に想像出来た。


レージは2年前まで路傍で弾き歌いをしていた。


それこそ、シンデレラみたいに誰ひとり見向きもしない、無名の“自称”ミュージシャンだった。

ある日、突然スカウトされてメジャーデビューを果たす。


初のシングルがオリコン1位を3週に渡って独占。


“奇跡のシンデレラボーイ”


当時発売された週刊誌の見出しだ。


「魔法が解けて、この様だ」


静寂の中、彼の声が震える。


違う。


私はそんな事が言いたいんじゃない。


レージと目線を合わせるように、彼と向かい合った。


彼の両腕にそっと手を添えて、彼の顔を見上げる。


「レージ」


焦点の合わない視線がさ迷った。


「レージ」


もう一度静かに呼べば、やっと私の目を見てくれた。


あ、驚いてる。


何だか目を見開いているレージが可愛く見えて、私は思わず抱き着いた。

耳に伝わる鼓動が、温もりが、彼が確かにここに“居る”事を私に告げる。


「一度は確かに貧乏になっちゃうけど、シンデレラはちゃんと幸せを掴めたの」


シンデレラを迎えに来たのは王子サマ。


じゃあ、レージを迎えに来たのは。


「それが私。私はあなたがまた輝きを取り戻す為にここにいる」


諦めないで欲しい。


大好きな、アナタだから……


立ち上がって欲しい。


私のたった一人の大切な……


「ねえ、何で“あした”を“明るい日”って書くか知ってる?」


私の出した謎々に、レージは首を傾げる。


「今日を頑張って、明るい日を……幸せを掴む為よ」


起こることに“奇跡”はない。

全ては“軌跡”が……



――歩んで来た道が、示してくれる。


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