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ルーチンワーク
朝の早くから、廊下で、会ってはいけない人に、会ってしまった。
バール・セティ様で、ござりまする。
私を、見つけるなり、舌打ちをして、嫌そうな顔をする。
「何故、おまえが、ここに居る」
何故って、ただ、廊下を、歩いているだけですけど。
「特に、意味は、有りません」
不思議そうな顔を、取り繕って、答える。
「なら、さっさと去れ」
「はい、わかりました」
ただ、立ち去るのみの、私。
その私に、問いかける声が、有った。
「バール。そちらの人は、君の知り合いなのかい」
耳障りの良さそうな、声が聞こえてくる。
「王子。この様な者と、関わり合いに成るべきではありません。下賤の者です」
ひどい差別発言だ。
でも、まあ、こんなものだろう。
だが、自然に、その王子なる者に、目線が、合ってしまう。
その容姿は、金髪碧眼の、王子様、王子様、はい、はい、テンプレ、テンプレ。
私は、黙礼して直ぐに答えた。
「失礼いたします」
そして、立ち去る。
バール様の、発言も有って、事は、スムーズに、かたずいた。
私は静かに立ち去った。
これが、イベントの一つと言う事だ。
単なるルーチンワークの、一つ。
さようなら、王子様。
もう、会う事も無いでしょう。




