復活の、・・・・・・・・
何やかんやで、数日後。
リナ・エバンス伯爵令嬢様が、放課後に、お出ましあらせ参らせまされました。
「あなたのせいで、バール様に、恥ずかしい姿を、見られたでわないですか」
赤ら顔で、怒っている姿は、むしろ可愛いぐらいで、破壊力ゼロです。
いや、これは、むしろ、私の方に、問題があるのか。
多少は、伯爵様に、恐れおののくべきなのか。
どうやら、件の、件で、すっかり落ち込み、ふさぎ込んでいたようなのだが、やっと、復活のようだ。
「恥ずかしかったんですか?」
私の気の抜けた、問いかけに、ご令嬢様は。
「恥ずかしかったですって。それは、その、あの・・・・・」
乙女心は、複雑なようだ。
俯きかけた気持ちを、何とか立て直して、再び声に出す。
「そんなこっ・・・・・・っ」
イントネーションからすると、「そんな事は、どうでも良い」と、言いそうになったけど、途中で、どうでも良い事では、無い事に、気が付いたようで、頬に薄紅を、射しながら、ワナワナしてる。
この状態を、見ているのは、楽しむべきなのか、憐れむべきなのか、判断に困るな。
「とにかく、全部あなたが悪いのですわ」
出ましたね、乙女系、超展開。
私は、ニッコリと、笑って見せた。
「そうなのですね。では、どこが、どのように、何が、よろしく無かったかを、愚鈍な、わたくしめに、委細詳細に、包み隠さずに、全て、問いただして頂けるのですね」
長口上に、一瞬思考が、追いつけずに、ポカンとしてから、一気に理解したようで、思考が混乱して、押し黙ってしまう。
「委細詳細にって、・・・・・・・・」
混乱し、唖然として、呆れていると言った状態のようです。
「なるだけ長く、お話しいただけますか」
我ながら、この時は、実に晴れやかな笑顔で言えたと思う。
「だっ、だから、あなたが、貴族に対しての、礼節を欠いた行為が、問題たと言うのです」
「わかりました。わたくしめが、礼節に欠けたと言う事ですね。ですが、何故それで、リナ様が、恥ずかしい思いを、するはめになったのですか」
ルーチンワークと、論点ずらしは、許しません。
あなたの想い、えぐり出して差し上げましょう。
「それは、、、・・・・。それは、、・・・。それは、・・・・・。それは、・。」
一つ一つのイントネーションの、違う、「それは」の、連続は、お嬢様の心情が、手に取るようにわかってしまう。
「それ・・・・・」
「差し出がましい事ですが。わたくしめから、お言葉を、差し出させていただきましても、よろしいでしょうか」
「えっ・・・・・・っ」
思っても強いない事に、思考が停止したようだ。
「それは、例えば、バール様の事の様な・」
そこまで言うと、突然、言葉を、遮り口を、挟んできたリナ様。
「あなた、・・・・・・。あなた、何を、言っているの」
言葉より、色に出りけり何とやら。
クラスの何人かが、どんよりとした視線を、リナ様に、送っている。
察しの良い、人間なら、その仕草で、だいたいの事は、理解しているようだ。
でも、本人は、これでも隠しているつもりのようだ。
「あら、わたくしは、何か、良く無い事でも、申し上げたでしょうか」
「よく無い事って、よくないことて、・・・・・」
言い返せないのか、目眩がするように、言葉を、繰り返す。
だが、私の、満足げな微笑みが、気に障ったのか、正気を取り戻す。
「とにかく、あなたが、これ以上、無礼を、働くようならば、只では、すまさなくってよ」
そろそろ、引き際かな。
世の中には、どうでも良い事が、結構ある。
その、どうでも良い事を、これからしよう。
私は、立ち上がり、リナ・エバンス伯爵令嬢様の、前に立った。
少し膝を、屈めて、首を垂れる。
そして、その文句を、口にする。
「解りました。これから先、決して、あなた様に対して、無礼なまねを、決してしないと、お誓いします。もし、それを破るようなことが有ったのなら、どのような罰も、甘受する事を、宣言いいたします」
この言葉に、二の句が継げ無いリナ様。
あまりにも、意外だったのだろう。
「よろしいでしょうか、エバンス様」
少し困惑気味に、答える。
舌足らずな言い回しで。
「ええ、良くってよ」
また少し、混乱しているようだ。
「それでは、失礼いたします」
私は、何事もなかったように、普通に、教室を、出て行った。
そう、何気ない、ただ、それだけの事。
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冬眠から、復活です。




