最優先事項です。
学園の、ガラクタ倉庫から、一つの丸テーブルを、引っ張り出して、掃除をする。
そして、その丸テーブルを、ゴロゴロと、転がして行きながら、東屋に向かう小道の途中の、ベンチまで、運ぶ。ベンチの前で、テーブルを、起こして、転がして来た時に付いた泥を、雑巾で、拭き取る。ポケットから、ちょっと、高そうな、ティーカップを、取り出し、テーブルに、置いて、水筒から、ミルクティーを、カップに、注ぎ込む。
すっかり、冷めたミルクティーは、苦どめの甘さを、残して、喉を通り過ぎる。
青い空と、白い雲が、晴れやかな、最高の演出を、してくれる。
肩肘を、付きながら、穏やかな、時間を過ごす。
こんな静かな時間を過ごせるのも、学園に、来た、お陰かな。
目の前には、小川のせせらぎが、流れていて、涼やかな音を奏でている。
ティーカップを、押しのけて、テーブルに突っ伏して、だらける。
テーブルに、あごを乗せて、小川のせせらぎに、目を、やる。
まったりと言うよりも、ダラリと言う感じで、和んでいると、目の前を、一人の幼女が、通り過ぎようと、していた。
リーレイス・サリー。
もう一人の、ライバルキャラだ。
そして私は、絶妙な、タイミングで、問いかける。
「ねえ。そこの、お嬢ちゃま。お菓子でも食べない」
クッキーの、入った、包み紙を、ひらひらさせながら、ナンパしてみる。
この程度では、引っかからないだろう。
だんだん、顔見知りに成って行けばいいのだ。
そして、彼女との関係は、最優先事項と成っている。
何故ならば、彼女は最後に、黒い沼に、飲み込まれて、消えてしまうと言う、最悪の結末を、迎えてしまうのだ。
きっと、脚本家が、サディストの変態だったに違いない。
その変態野郎の、思惑を、叩き潰して、やるのだと、私は、決意したのだ。
本来ならば、彼女と出会うのは、もう少し先の話なのだが、シナリオを、先回りして、出会う事にした。この道は、彼女の、お気に入りの散歩コースで、私は、そこで、待ち伏せていたのだ。
そして、彼女は、ひらひらと揺れるクッキーの、袋を見つめながら、こう言った。
「食べる」
あれ。
こんな簡単に、引っ搔かちゃうの。
クッキーの入った包み紙を、手渡すと、さっそく包みを、開けて、クッキーを、取り出す。
少し大きめのクッキーは、一口では、食べきれずに、幾度か繰り返し、全て、食べきった。
水筒の、フタを、開けて、ミルクティーを、ふたのコップに注いで、手渡した。
そのミルクティーを、コポコポと、飲み干す。
でも、こんなに簡単に、引っかかるなんて。
これは、
教育が、必要ね。




