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乙女ゲームの、ヒロインに成ったので、悪女狩り始めます。  作者: てて
風のようにゆきましょう
5/14

悪役令嬢も、大変です

時は朝。

雀が鳴き。

晴れやかな日差しが、差し込む。

そして、悪役令嬢と言う、いつもの朝。

「あなた、バール様に、失礼な事を、したと言うのは、本当なの」

 昨日の事を、さっそく聞きつけてきたらしい。

リナ・エバンスお嬢様。

「えっ、何の事でしょうか。昨日は、先生の、方達に、叱咤激励を、頂いただけで、御座いますわよ」

 昨日の内容は、まとめると、成すべきを、為せとのことに成るのだから、間違ってはいない。

「嘘を、おっしゃいなさい。あなたのせいで、バール様が、叱責されたのは、明白なのですのよ」

 まあ、そう成るのは、当然の結果なのでしょうね。

「ふーん。そうなので、ございますか」

「とぼけないで、あなたには、貴族への、敬意が、根本的に足りないのですわ。庶民なら、然るべき、敬意を、払うのが、義務だと言う事が、解っておりますの」

 貴族への義務なんて、全く払う気は無いのだけど。

これが、この世界の普通なのでしょうね。

「そうなので御座いますか、わたくし、庶民の、生出なので、無作法が有ったのでしょうか」

 しらじらしとは、私も思ってますけど。

「庶民ゆえの不作法ですって。あなたのやった事は、その範疇を、とっくに超えていますわ。自覚なさい」

そうなのでしょうね。

でも、まあ、良いのでは無いのでしょうか。

実害ないし。

「何ですの。その一欠片ほどの、反省の無い態度は」

 ええ、まあ、その通りですけど。

「ええ、そうなのでしょうか。それは、誠に、申し訳ありませんと、私が、申し上げれば、よろしいのでしょうか」

 長めの台詞の、間に、一、二、三歩と、歩みを進める。

この位置は、中々よろしくない位置なので、少しばかりの修正をして、ご令嬢の、周りを、四分の一回転ほどした。

そして、斜に構えて、微笑む。微笑む。

「あなたは、いったいなんですの」

 ご令嬢らしい、エレガントな物言いで、少し怒気を、はらませる。

予想通りの、展開に、少し愉快になる。

「リナ・エバンス様」

ご機嫌な声音で、問いかけるように、話す私。

「なんですの。あなたは」

 ご令嬢の、一言の、瞬間。

私は、一歩踏み出す。

そして、額が、触れる寸前まで、顔を、近づける。

驚いたご令嬢が、一歩下がる。

「何を、なさいますの」

 同じ手に、二度も引っかかるなんて、あなたが、悪いんですよ。

私は、躊躇無く、ご令嬢の肩を、突き飛ばした。

その先に居たのは、私に文句を言いに来た、バール・セティー公爵子息が、居たのだ。

「きゃーーっ」

 可愛い悲鳴は、その背を受け止めた、柔らかな物に、受け止められて止まった。

「おまえ、何をやっている」

 一度ならず、二度までも、凶行に及んだ、私を、バール様は、非難する。

 自分を、受け止めた、何かを、振り返り、リナ様は、それを、理解した。

「バール様」

 密やかな声で、そうつぶやくと、体温の上昇を、感じ。その顔を真っ赤に染めた。

その後に、こう告げた。

「ごめんなさい」

 何が、ごめんなさいなのか、いまいち、解らないが、その後に、逃げるために、駆け出そうとした。

だが、逃がすものかよ。

私は、素早くご令嬢の、足を引っかけて盛大に転ばせた。

「きゃっー」

またもや、可愛らしい悲鳴を、上げて、盛大に、転ぼうとしたリナ・エバンス嬢の、片腕を、バール様が、捕まえた。

右手で、左手を、捕まえて、引き寄せたので、リナ様は、半回転して、バール様と、見つめ合うことに。

だが、勢いは、止まらずに、二人とも転んでしまい、その結果、バール様は、リナ様を、押し倒したような、格好に成ってしまった。

 その様子を、見た女子三人組が、口元を抑えて、悲鳴を、上げそうになる。

そのレディー達に、私は、ウインクをしながら、口元に人差し指を、あてがって、沈黙を、誘い出した。

幸いなことに、レディー達は、私に気づいてくれた。

その瞬間、周りの全ての人間たちが、空気を読んで、沈黙を維持した。

「すまない、リナ。大丈夫か」

 本当に、すまなそうに、バール様は、問いかけた。

「はい。大丈夫です。バール様」

 顔を真っ赤にして、リナ様が、答える。

「立てるか」

「はい」

 バール様は、リナ様の、手を取り、上体を、立ち上げる。

手を引かれて、ちょこんと、座り込んだ、姿は。

まるで、一輪の花の様に、愛らしく、可愛かった。

バール様は、立ち上がり。

身なりを、整えると、バール様は、手を差し伸べて、一言。

「怪我が、無くて良かった」

「はい、だいじょうぶです」

 リナ様は、バール様の、手を取り。

鮮やかに、立ち上がった。

「本当に、怪我がなくて良かった」

 私が見たことのない、最高の笑顔で、バール様が、微笑む。

そして、私が見た事が無いほどに、体温を上昇させて、真っ赤なお顔で、リナ様が、お答になった。

「ありがとうございます。バール様、その、あの、えーっと、すみませんでした。わたくしは、わたくしは、・・・・・・」

 その時に限界が、来たのだろう。

真っ赤になった、顔を、手の平で、覆い隠して、逃走した。

ポカンとする、バール様。

お嬢様、セリフを、全部言えてないぞ。

そして、三人のレディー達が、感極まって、黄色い悲鳴を上げる。

それを、聞いて、バール様は、はじめて、現実に、引き戻されて、その頬を染めて、その場を立ち去った。


ふっ。

これで私は、御咎め無しですね





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