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乙女ゲームの、ヒロインに成ったので、悪女狩り始めます。  作者: てて
風のようにゆきましょう
3/14

その悪女は、・・・・・・・

一人、トボトボと、魔法学園の、門に向かって歩いている。

友達は、いない。

そこら辺の、町娘にも負ける最弱のスペック。

あまりに、身分が、低すぎて、異例の存在。

能力も、スライムにすら勝てない状態。

作業ゲーの、経験値は、ここでリセットされてる。

ああ、なんかモブたちの嫌味が聞こえてくる。

「なんで、あんな子が、学園に」

「私の、学年に、よりにもよって、あんな庶民とも言えないよう者が居るなんて」

 ボソボソ聞こえる。有象無象な、ヒソヒソ声。

シナリオ通りなんだけどね。

学園の門を、くぐり抜けると、自分の場違いさに、気がつく。

白亜の宮殿のような、校舎。

チリ、一つ落ちてない歩道。

良く手入れされた、庭木たち。

周り全てが、自分より格上て、何だかやだな。

プレッシャー。

でも、しっかりと、おのぼりさんしてみる。

あちらこちらを、キョロキョロと、せわしなく見回す。

すると、何かに、ぶつかって、後ろに、尻餅をつく。

何もないはずの、道ばたに、いったい何が、有ったのかと、見上げれば、一人の男が立っていた。

ああ、そうだった。

最初の攻略対象に、ここで会うんだった。

「何だ、おまえは」

偉そうに、私を見下ろす。公爵家子息が、立っていた。

バール・セティ。

貴族至上主義の、駄目男だ。

私は、立ち上がり、埃を、払い。

「お初にお目にかかります。私は、・・・・・・・・」

しまった、原作者が、まだ、私の名前を、考えてない。

「えーと、わたしは」

原作者、考え中。

「私は、イリム・セルファーと申します」

「ああ、あの庶民の、生徒か」

慇懃無礼に、見下してくる態度。

これが、このゲームのレベルなのである。

乙女ゲームに、あるまじき、無礼ぶり。

でも、私は、庶民と言うよりも、農奴に近いんだけどね。

御貴族様には、それすら解らないのでしょうね。

「はい、そうで、ございます」

「おまえなどに、用はない。さっさと去れ」

「はい、解りました」

 はい、これでお終いと言う所に。

「あなた何してますの、バール様に、話しかけるなど、無礼にも、ほどがありますわ」

悪役令嬢の、ご登場だ。

この娘は、バール様には、何も言えないくせに、私には、ぐちぐちと、嫌味を言ってくる。

バール本人の前では、恥ずかしくて、縮こまってしまう。

要するに根性が、無いのだ。

去り際の仕草を、整えて、彼女の正面に立つ。

そして、

乙女ですらも、頬を、赤らめるほどの、今後、二度と無い、最高の、笑顔で、微笑む。

リナ・エバンス伯爵令嬢が、その笑顔に、見とれた瞬間に、イリムが、令嬢の、背に、回り込む。

「ええーぃ」

伯爵令嬢様の、背中を、思い切り突き飛ばす。

「きゃっ」

可愛い悲鳴を上げて、バール様の胸の中に倒れ込む。

それを、しっかりと、受け止める、バール様。

おお、さすがにやるね。

「おまえ、何をしている」

ご令息の、罵倒の後に。

私は、小走りに駆け出す。

そして、一言。

「バーカ」

そう捨て台詞を残して、走り去る。

走りながら、クスクスと笑う。

その姿に、呆然と見送る二人だった。


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