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スーパー・ジャイアンツ  作者: 荒馬宗海
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sg5

短いので今日投稿です。

ジキトウサン本格的に大活躍です。


その日、ジキトウサンはブタパクロに寄り切られてタワラを割った。オオスモウのオフィシャルルールに則るまでもなく、この時点で明らかに勝敗は決しているのだが、この日の彼はここからが違った。酔っていたとも、クスリをやっていたとも噂されるが、いづれも定かではない。中途半端なアンコ型故に、昇進や判定に関する不満もあったのだろう。とにかく、ジキトウサンは暴走した。堰を切ったように、“格式ある”オオスモウにあるまじき打撃技―ヘッドバット、グーパンチ、喧嘩キック等―による猛攻を開始したのである。

ブタパクロに成す術はなかった。というのも、スモウには打撃技を本当の意味で的確に防御するテクニックがなかったからである。理由は二つある。一つは、オオスモウ特有のカチアゲ、ツッパリといった打撃は、相手を押し出すこと、あるいはバランスを崩して倒すことに主眼がおかれていたために、自然、防御法も自分がどれだけダメージを負わなくて済むかではなく、いかに倒されず後ずさりすることなく、一定の態勢を保っていられるかが重要視されたからである。もう一つは、“神事に起源をもつ格式ある国技”という敷居の高さが、他の格闘技との交流を阻んだことで、打撃系の選手と対峙する機会がなく、自然、対打撃用(カチアゲとツッパリを除く)のディフェンスを講じる必要もなかったからある。故に、極めて長い歴史を有する格闘技でありながら、ついに実被害を負わない、もしくは最小限度にとどめるというテクニックは、ほとんど発達しなかったのである。

 ジキトウサンのオオスモウ史上唯一の場外乱闘に対して、「このままではマジ殺される」とブタパクロは観客席に逃げ込んだが、マゲにマワシ一丁の巨体を一般人民のひとごみに紛れさせることには相当に無理があったし、事実不可能であった。ジキトウサンはブタパクロを捕まえると、桝席の仕切りに額を叩きつけ、ビール瓶で脳天をかち割った。オオスモウ史上最初にして最後の凶器攻撃である。

 若手・付き人たちが駆けつけた時には既に遅く、ブタパクロは血だるまになって失神していた。取り押さえられる寸前、昂ぶったジキトウサンはマイク片手に意味不明の言葉を吐いて絶叫していた。オオスモウ史上例のないマイクパフォーマンスで、最後を締めくくったのである。


次回は本当に来週です。

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