スーパー・ジャイアンツ
試合前の控え室。プロレスラー、チョンボ・ヅルダ(次世代のエースと呼ばれ続けて、はや四半世紀。齢四十九)は葛藤していた。「勝ってしまってよいのだろうか」と。相手はあまりにも偉大なザ・ウルトラ・スペシャル・グレート・スーパー・ジャイアンツ・パパ(生ける伝説。齢七十七)。戦後、なにもかもを失った人民を励まし、希望を与えているうちに、やがて気がつういた“誰か”によって、「人間宣言」以前の皇帝に代わる現人神に祭り上げられ、信仰の対象となった“沈まぬ太陽”。だが、ジャイアンツに往年の実力はなかった。「ジャイアンツ以外で唯一、超人と呼ぶに相応しい能力をもった自分ならば、これ以上自身も老いてしまう前ならば、勝てる」ことが、チョンボにはわかっていた。「世代交代」と「あり得ない現人神の敗北」。運命のゴングは鳴った。「果たして、この俺にこのとてつもない重責を担うことが出来るのか?」結局、チョンボの苦悩は闘いの間も続くのだが、それでも、ジャイアンツを絶体絶命にまで追い込む。しかし、最後は、魅入られたように“現人神”ジャイアンツ・パパの超必殺技を受けカウントスリーを聞く。ここに試合は決着した。
その時、ゼニニッポンプロレス最高幹部専用ボックスシートに二つの影があった。
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