本日、能力者になりました。
お、俺の能力は?!
俺は胸を踊らせる。2次元の世界のように能力を使える日が来たんだ!!2次オタならみんな憧れるよねたぶん!
「貴方の能力は、『存在感を消す程度の能力』よ」
「.......え?」
存在感を消す?こいしっぽい能力だな.......
「貴方、時々周りに見られてないことあるでしょ」
「いやいやそれってただ影が薄いだけじゃ!?」
次の瞬間、縁はにっこりと微笑んだ。
「ごめんなさいね、嘘よ」
「……」
なんなん?ゆかりん、なんなん?
「本当の能力は『能力を借りる程度の能力』よ」
能力を借りる?
「紫、それ、どういうことよ。能力を借りるって、そんな能力が本当にあるの?」
俺が質問する前に霊夢が質問を投げかけた。
「じゃあ試してみる?霊夢の能力を借りることにしましょうか。霊夢」
「何よ」
紫は霊夢に何かを耳打ちした。
「あー、そこの箒取ってくれる?」
「え?うん。はい」
俺は霊夢に箒を手渡した。
「これで、能力の発動条件を満たしたわ」
?????
はい?????
「試しに『飛びたい』と思いなさい」
飛びたい?と、飛びたい、飛びたい。
そう念じると、俺の体はふわふわと浮き出した。
「え、え?」
「こりゃ面白い能力だなー」
「なっ、ほ、本当にこんな能力があるなんて」
「まぁ、オリジナルよりはやっぱり劣るけどね」
お、俺の能力すげぇ!
「能力の発動条件は『相手が今して欲しいことをする』よ」
な、なるほど。霊夢が今求めた箒を渡したから能力の発動条件を満たして今飛べてるのか。
「じゃ、私はこれで失礼」
「ちょ、紫!!どこ行くのよ!!」
紫はどこかへと行ってしまった。