ep.8
視聴覚室。。。
そこでは公平がビデオカメラの接続に手間取っていた。
「おい、公平まだかよ。」
「そうよ、ホント遅い。」
「ねぇ、まだ?公平くん。」
「うるせぇ、ちょっと待ってろ。この野郎。」
かれこれこのやり取りを20分以上も続けている。
「もう、どんだけ待たせてんのよ!」
「あーもう、ポップコーンでも食っとけ。」
と言うと公平はうんまい棒を皆に渡した。このやり取りもかれこれ20分以上。
「どんだけうんまい棒食わせる気だよ。」
3人のブーイングの中やっと公平が接続に成功した。
「ふぅー、ボス。爆弾処理完了しました。」
「なにやりきった顔してんだよ。とっくに爆発してるよ。」
やっとテレビに映像が映った。そこには、特設ステージの上に4人の派手な格好した前軽音部のメンバーが立っていた。そして、ドラムのカウントから演奏が始まった。
「うわっ、音割れ激しくねぇか?」
公平がしかめっ面で言う。
「しょうがないよ、公平くん。ねぇ、それよりもこの人達・・・」
「うん、めちゃくちゃ上手い。」
ハルキは言葉を失った。確か音質は悪いがそれ以上に伝わってくるものがある。すると咲が
「特にあのギター。ハンパなく上手いわ。」
咲の言う通りギターのテクニックが群を抜いている。ハードロックでテンポが速いにも関わらず正確なコードを押さえる指さばき。
『すげぇ。』
そういうしか無いほどの演奏だった、が公平が気付いた
「おい、あのギターもしかして蔵田じゃねぇの?」
『えっ?』
3人はテレビに近寄った。『あーーーっ!確かに!』メイクで分かりづらいが、確かにそのギタリストはあの蔵ティーだった。
「マジかよ、あの蔵田先生が・・・」
ハルキが言い掛けると、後ろのドアが勢いよく開いた。
「くそー、やっぱりか。」そこには、ちょうど蔵ティーがいた。何やらとても悔しそうである。
すると薫が閃いたように、そうか、と言った。
公平が尋ねた
「何がそうかなんだ?」
「考えてみてよ。蔵田先生はプレハブの中で何かをしていたよね。」
『うん』
「しかも、そのプレハブは元軽音部ので、これはプレハブから見つけた。」
「あっ。」
「あっ。」
ハルキと咲は気付いたようだが
「ん?」
と公平は首を傾げてる。
「まだ分からない?これを見てて先生は悔しがったんだよ。つまり先生はあのプレハブの中で、このテープを探してたんだよ。」
「ていうことは、つまり先生はプレハブの中で、このテープを探してたんだよ。ってことか?」
「んだよって、一字一句同じじゃん。」
「でしょ、先生。」
蔵田は観念したように、ため息をついた。
「あぁ、そうだよ。くそー、遂にばれたか〜。」
「なんでだよ、別にいいじゃん。ばれたって。」
蔵ティーは気まずそうにうつむいて言った。
「なんでって、その映像みれば分かるだろ。昔オレがどんなだったか・・・」
確かにテレビの中の映像がそれを物語ってる。
「あの頃オレはいわゆる不良だった。」 『うん、まぁ。』
学校での蔵ティーは、いつも控え目でどちらかというと生徒になめられていた。また蔵ティーが語り始めた。
「だがな、オレもいざ高3になると・・・」
蔵ティーの語りが続く。
「実はオレには好きな子がいてその子がなんと・・」蔵ティーは止まらない。
そんな中、公平が閃いた。
「なぁ、蔵田を軽音部の顧問にしねぇか!」
「何言ってんだ、公平。一体どうやって?」
「だから、このビデオをネタに脅してさ・・・・」
「駄目だよ、公平くん。そんな酷いこと。」
薫が公平を止めたが、
『おー!いいじゃんそれ。』
ハルキと咲は声を揃えて言った。
「駄目だよ、みんな。だから、先生が可哀想だよ。」公平が薫の肩に手を乗せ、
「薫!よく考えてみろ。このままじゃ軽音部は廃部だぞ!いいのか?廃部して。」
「うーん、そういわれると・・・」
ハルキも肩に手を乗せ言った。
「薫。辛いのは分かる。それは皆同じだ。だがな、何かを得る為には、犠牲がつきものだ!」 「いや全然格好ついてないよ。ハルキくん・・・」 「おい、聞いてるのか?」 蔵ティーが聞いてない事にやっと気付いた。
「よし、作戦開始だ」公平がニヤリと笑って言った。
「先生、軽音部の顧問になってくれよ。」 「ちょっ、ちょっとおい!どうして俺が顧問にならなきゃいけないんだ!!」
蔵ティーが軽くパニック状態のように、驚きながら言った。
「第一俺は、マンガ研究会の顧問なんだ。」
「マンガ研究会って・・・」
咲があきれたように言った。
「しょうがないだろ!俺はまだ下っぱなんだから、しかも・・・」
蔵ティーはまたうつむいてまた語り始めた。「俺は今の校長に色々世話になったんだよ。」
暗い雰囲気の中、公平が一声
「うん、そういうのは別にいいからさぁ、顧問になってくれよ。これ(ビデオ)ばらされたくなかったら。」公平お前今ものすごく怖いぞ。
その言葉に蔵ティーは
「なんだとぉぉーーっ!」と叫んだ。
「だから、顧問になって下さい。先生。お願いします。」
「お願いしますって・・・断れないだろがぁーっ!」と言って蔵ティーは膝から崩れ落ちた。
こうして我ら軽音部は、顧問をゲットした。
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