ep.4
薫という新メンバーが加わった僕達は昼御飯を食べに屋上にむかっていた。
「へぇ〜。薫ピアノ独学なの?すげーな。」
「いや、そんなことないよ。おかげで弾き方めちゃくちゃだし。」
「いや、スゴいよ。薫。」
「ところで2人はどれくらい弾けるの?」
「僕はだいたい。でも公平、お前大丈夫かよ?」 そう、僕は心配だった。公平がドラムを叩けるのかを。僕はコイツがドラムを叩いているのを見たことがないのだ。「ふふふっ。オレをなめんなよ。毎日一時間以上練習してるぜ!」
「へぇ〜。公平くんドラム家にあるんだ。」
「えっ、公平買ったのか?」
「いや、でも毎日やってるぜ、楽器屋さんで!」 楽器屋さんでて・・・
「何か定員さんに言われないの?」
「いや、何もいわれねぇ。」
「へぇ〜。定員さん優しいね。」
「ただ・・・」
「ただ?」
「なんか知らねぇけど、オレ来た瞬間みんなイライラしてるみたいなんだよ。」そりゃ、そうだろ。そんなずっと居座ってたら。 「公平くん。それはちょっとあんまりだよ。」
「そんなかおるー。」
ここ数日で薫とも、だいぶ打ち解けた。
「あー。あと、ベースが一人入ってくれたらメンバー揃うんだけどなぁ。」
「うん。そうだな。」
確かに薫が運良く入ってくれたが、あと一人となるとまた難しい。
「あのさぁ。」
薫が手を挙げた。
「ポスターとか作ったらどうかな?ほら、掲示板に貼ってあるやつ。」
『おーグッドアイディア』2人は声を揃えた。
「じゃあさ、みんなそれぞれポスター書いてこようぜ、派手で格好いいやつ。」 「公平。お前も書くのか?」
「当たり前だろ!待ってろよ。めちゃくちゃいいやつ書いてくるぜ。」
というが残念ながら公平にそういうたぐいのセンスは1ミクロもない。昔彼は図工の時間、隣の席の人の似顔絵を描くことになって、完成した似顔絵を隣の席の女子に見せその子を泣かせたことがあるのだ。 「お前いいや。紙とインクの無駄。」
「おい。オレはピカソをも超えるぜ!」 「それはとらえ方によってはヘタクソじゃねーか。」 そんな会話を繰り広げていたら、やっと長い階段も終わり屋上の扉が見えた。そして扉に手をかけたとき
「なんだとぉ〜、てめえ!」
「な、なんだ?」
扉の向こうでなにかあってるらしい。おそるおそる扉を開くと、一人の女子が男三人に囲まれていた。 「何かヤバそうだねぇ。」
薫がびくびくしながら言った。
「あぁ、確かにヤバイ。」
「おぉ、確かにあの娘可愛いさはヤバイ。」
おい、お前の頭確かにヤバイよ。公平・・・。そんなことを思っていると、
「能書きはいいから、さっさとかかってこいよ!」
と女の子が叫んだ。おいおい、かかってこいよって女の子だろ。すると男の一人が殴りかかってきた。がその女の子は、それをヒュイと避けると腹部に膝蹴りをいれた。
「ぐはっ!」
男は膝から倒れた。
『マジかよ?』
三人とも言葉を失った。
倒れた仲間を見て残りの二人は
「てめえ、やったなぁー!」と同時に襲ってきたが、
素早く片方の懐にもぐりこむと、顎にアッパー。そしてもう片方には、綺麗な回し蹴り。
そして公平が一言。
「あ、パンツ見えた。」
その声が聞こえたのか、女の子がこっちを見た。
「何、あんたらも仲間?」
ブンブンと首をふる三人。
「じゃ、何の用?」
「いや、僕達は昼飯食いに来ただけです。」
自然と僕の声も小さくなる。そして残り二人も大きく頷く。
「ふーん、ならいいけど。」と言うとその女の子は崩れたロングの髪を直しながら、ソファーに座った。なんで屋上にソファーがあるんだ?
すると薫が
「もしかして、鬼崎 咲さん?」
とおそるおそる訪ねた。
「あぁ、そうだけど?」
と女の子はかったるそうに答えた。
「マジかよ。あの噂の。」
公平は呟いた。
実はこの鬼崎 咲は、入学当時から有名だった。とてつもなくワルということで。噂によると、族を1チーム一人で潰したとか、ヤクザ相手に喧嘩を売ったとかとにかくただものじゃない。そんな超危険人物になんと薫は
「やっぱり、さっちゃんだ」と急に態度を改め、しかも慣れ慣れしく
「さっちゃんだ」とよんだ。
「あぁ?誰あんた?」
あぁ、薫殺される。と僕は心のなかで呟いた。
すると薫が
「ほら、僕だよ。薫だよ、小学校のころ一緒だった。」
と訴えるように言った。
すると鬼崎咲は
「え、薫君?やだ、久しぶりー。懐かしい〜。」
とさっきまでとキャラが完全に変わっていた。




