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番外編〜楽器店にて〜

ハルキと公平は楽器店に来ていた。それは何故かというと・・・


「うぉー、テストやっと終わったー!!」

最後のテストが終わり、ハルキがくたびれていると、

「ハルキー!プレハブ行こうぜー!!」

と元気良く公平が声を掛けてきた。

「いや、マジ今日は勘弁。疲れまくって・・・」

「だぁーーー!!!うっさいんじゃボケ!!おいどんはドラムを叩きたいんですたい。薫と咲様誘っても断られ、お前まで断ったら拙者ただのロンリードラマーやないかい!!泣くぞ。また人目も気にせず泣くぞ、コラァ!!!」

そんな興奮し言葉がおかしな公平の勢いにハルキは仕方なく

「あーもう、わかったから。行くから興奮すんな。」 「オォー、センキュー ベリー マッチ!アイム ファイン エンドユー?」

「いやなにが゛あなたはどうですか?゛だよ。わかったから落ち着け。」

そんなこんなでプレハブに行きさっそくドラムを叩こうとスティックをハイハット(シンバル)に当てた瞬間」

゛バキッ!゛

『!?』

スティックが折れた。

「なに折ってんだよ!」

「いや、ただ軽く叩いただけだって。こんなかんじに。」

と言ってもう片方のスティックを振りおろすと

゛バキッ!!゛

『!!??』

もう片方も折れた。

『・・・・・・』

しばらくの沈黙の後、ハルキがあっ、と思い出した。

「そういや蔵ティーの昔話で山本さんがスティック投げてたって言ってたな。」ハルキの言葉に

「だよな?オレじゃないよな?よかったー、マジ焦ったー!」

と公平がほっと胸を撫で下ろした。

「でも、どうすんだ?確か整理した段ボールの中に大量にスティックがあったけどそれ使うか?」

「おー、ナイスハルキ。きっと折れた時用のだ。」

とさっそくその段ボールを探し見つけ、中のスティックで叩いたみた。・・・が゛バキッ!

『・・・・・・』

重い空気のなか公平が口を開いた。

「これ、折れる直前のスティックじゃね?」

「あぁ、たぶん。ってかどんだけだよ。折れる直前を見分けるって。」

『・・・・・・』

やはり沈黙。 

「スティック買わなきゃな。」

公平が言った。

「スティックって高いのか?」

「いや、たぶんそんなにないと思う。」

「じゃ、今から行くか。」

「おぅ、行ってらっしゃい。」

「お前もだよ、ハルキ。」

「えー、なんでオレも。」

「人目も気にせず泣く・・・」

「あーもう、わかった!!行くから。」


ということで楽器店に来たわけだ。

「ほぉー、スゴいな。ギターとかたくさんあるな。」 「あぁ、だろ?よく来てたんだ。練習しに。」

「ははーん。どうりでさっきから店員の視線が痛い訳だ。」

「そんなことよりほら、スティックあったぞ。」

ようやく広い店内からスティック売り場をみつけた。

「いろんな種類があるな。どれにするんだ公平。」

「うーん、わかんね。聞いてみるか。すんませーん。」

と公平が店員を呼んだ。すると店員が信じられないという顔をした。

「!?信じられない。ただ何も買わずひたすら展示品の電子ドラムを試打していた君がやっと、やっと。」と店員が嬉しそうにして、スティックの説明をし始めた。

なかなか終わりそうにない説明にしびれを切らしたハルキは展示してあるギターを見ることにした。

「へぇー、たくさんあるなー。」

店には壁一面にいろんな種類のギターが掛けてあった。

「うぉ!!30万?高けぇな。」

そんな山のようにあるギターの中からハルキの一際目を引く一つのギターがあった。

「カッコいい・・・」

それは赤色のレスポールだった。ハルキにはそのギターが輝いて見えた。

ハルキが見惚れているとスティックを買い終えた公平がやってきた。

「おーい、何してんの?」

「ん?あぁ、このギターがね。」

「おー、カッコいいな。えーっと、10万かぁ。ビミョーに高いな。」

確かに10万はそう簡単にポンってだせる金額ではなかった。だがハルキはギターの前を離れることができない。そんなハルキのもとにある女の店員がやってきた。 「なにかお困りでしか?・・・カンジャッタ」

「あ、いや。この赤のレスポールのギターがちょっと。」

「このギター?へぇー、君お目がでかい!」

「それを言うなら高いだろ。」

「そう高い!このギターはね、とても良い品物よ。」と言ってその女の店員はギターを手に取りアンプに繋ぎ、ポケットからピックを取り出した。そして、

゛ギュイーン゛

その女の人は凄まじいテクニックでギターを弾きだした。

二人は言葉を失っていた。正確な指の動き。一切無駄な動きがない。

「ふぅー。ね?良いギターでしょ?」

そう言ってギターをハルキに差し出した。

「弾いてみなよ。」ハルキはそのギターを手に取り、膝に乗せ、ピックを受けとってその手を振りおろした。

゛ジャララーン゛

身体が震え、心が揺れた。そして鳥肌がだった。

「やっぱり・・・カッコいい・・・」

ハルキはますますこの真っ赤なレスポールに心惹かれた。そして

「オレ・・・買うわ。」

ついに買う決断を下した。

「おー、ついに買うか。ハルキ。」

「うん、正しい判断だよ。お買い上げありがとうございまーす。」

「あのー、でも10万も今は持ってないんで。少し値段を・・・」

「おー?値切りに来たか。客人よ。懐かしいな私もよく値切ってた。」

女の店員は昔を思い出すように言った。

「でも私バイトだから。ちょっと待ってて。店長呼んでくる。」

そう言って店の奥に行き、1人の男を連れてきた。

なんと店長と連れてこられたのは、あの説明をしてくれた店員だった。

「おー、また君達か?今日は凄いな。いつも買わないのに今日だけは。で値切りたいんだって?」

機嫌が良いのかよく喋る喋る。 

「あ、はい。」

「じゃあ、8万でどう?」

「えっ?2万も!?」 

ハルキはイッキに値段が下がり驚いていたが、横の2人は

「8万はまだ高けぇよ。もっと下げてくれよ。」

「そうですよ、店長。まだ下げなきゃ。」

何故か女店員まで値切っている。

「なんでバイトちゃんまで。じゃあ7万でどうだ!」最初より3万も下がった。だが

『まだまだー!!!』

「じゃ、6万8千!!」

『まだいけるよー。』

次第に店長の顔色が悪くなっていく。それに引き換え二人は楽しそうだ。

「6万5千!!」     『まだまだだね。』

「もう勘弁してくれよ〜。」『いいとこ見せろよ、店長さーん。』

そして汗だくの店長はついに 

「もう5万で・・・ご勘弁を・・・」

ついに半額までに 

「もういいです!!!」

たまらずハルキが止めた。『えー、これからなのに』公平と女店員はまだ値切るつもりだったらしい。っていうか店員が値切るって。

「それじゃ、明日お金持ってくるんで。とっておいてください。」

「店長。明日になって5万は無しとか無しですよ。」 「・・・うん。」

明らかに店長は弱りきっていた。         (ありがとう店長さん。犠牲はムダにしません。)

と密かにハルキは誓った。

「良い買い物したなー。」

「あぁ、ほんとに。」

「店長げっそりしてたぞ。」

「それはお前と店員さんが値切るから。」

「そういや変な店員だったな。」

と2人は店を後にした。 

翌日、ハルキはギターを引き取りに行った。

「あれ?店長さんは。」

ハルキが別の店員に尋ねるとかえって来た言葉は

「あー、店長なら寝込んだらしくて。なんでもそうとう追い詰められたらしくて。」

「あ、そうですか。」

ハルキはギターを受けとったと同時に再び誓った。

こうして新しい真っ赤なレスポールを手にしたハルキだった。



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