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数学オタクは魔法に憧れて  作者: 哲
1章 数学を愛する少年
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プロローグ

俺は人と少し違う、変わっている。

と、そんなことを自分で思ってしまうのは俺がナルシストだからなのだろうか。


学校の登校途中、俺は一人でいつもそんなどうでもいいことを考えている。


俺が人と少し違うところ、


例えば俺は協調性がない。俺は一人でいることが多い。友達がいないわけではないが、あまり遊んだりはしない。


例えば俺は未だに中二病を患っていたりする。流石に腕に包帯を巻いている訳ではないが、俺の秘蔵のノートが今も更新を続けている。


例えば俺は人より多少理系が得意だ。特に数学は周りに引かれてしまうほどに熱中してしまうほど好きで、クラスメイトからは数学オタク、なんて高校生に不名誉なあだなをつけられる。


これらから分析すると俺はどんな人間なんだろう。


うん、ぼっちで中二病でオタクとかだいぶやばいな、俺。

せめて恋人でもいたら話は変わるのかもしれないが、こんな性格のやつに惚れる女子はいないだろう。


女子にモテる男ってのはもっとこう、簡単に女の子に話しかけられるような明るい雰囲気とコミュニケーション力がないと……………………………。


なんて考えているうちに学校の教室に着いた。

これが俺の登校の日常。馬鹿なことを考えながら一人で登校する宇佐美 奏の日常だった。


登校するには少し早い時間、三年一組の教室の扉を開けると、いつも一人の女子学生が座っている。


「おはよう」

「…おはよう」


彼女の名前は柊 静葉、こうやって朝の挨拶をして、ちょっと話すような仲だ。ああ、ちなみに俺は挨拶は言われたら返すタイプだ。自分から挨拶をしようと思っても好感度を把握することが苦手だから失敗する、だから俺から挨拶することはあんまりない。この人は別に俺から挨拶してもいいんだけど。



そして自分の席に座り、適当に本を読んだり、途中までやっておいた課題を終わらせたりしていると、始業のチャイムが鳴る。


この時ほとんどの場合全員が登校しており、遅刻はゼロに等しい。うちの高校は有名な進学校で、結構みんなまじめだ。それでもたま~に遅刻したりサボるやつがいるが、そういうやつに限って特別頭がよかったりする。まったく理不尽な世の中だ。


だが今日は様子がおかしいような気がする。みんなの行動がゆったりで、どこかふらふらとしているような…?

じっと観察しているとだんだん眠くなってくる。あれ、俺昨日夜更かししたっけな、大して興味のあることも課題もなかったはずなんだが…。






…頭か働かない。まるで他の何かに思考を押さえつけられているような感じだ。見渡すと視界がぐらぐらしてきた、どうやら俺がおかしいらしい。


しょうがない、今日は少し休もう。


俺は意識を手放した。

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